配当落ち日と水原一平氏の罪名 気になる日本語

   

配当落ち日を検索していると気になる説明が・・・
「配当落ち日とは、配当を受け取る権利がなくなる日のことです。」
この言い回しだと
配当を受け取る権利は既に持っていて、その権利がなくなる日があるということになるが、腑に落ちない。
配当落ち日とは、配当を受け取る権利が確定した翌営業日のことであり、権利が確定したので当該株式を売却する人も多くなる日であり、そのため価格が下がりやすい日の俗称である。

また、旧ツイッターを見ていたらこんなやりとりが


このポストに対してこんなリプ

口座の管理業務を任せていたのだったら「横領」になるだろ。
大谷の弁護士は「巨額な窃盗」で告訴しているのだ。
よく報道を読めよ。

これに対して

ということでリンク先を拝見最新ニュースから学ぶ米国の法制度②(水原さんの責任について考える)-水原一平さん違法賭博問題-
該当すると思われる部分を抜粋

大谷選手の金銭を無断で送金したか否か
現時点で大谷選手側は、水原さんが大谷選手の口座に何らかの形でアクセスし、「大規模な盗罪(Massive Theft)」を行ったとしています。Theftというのは、「窃盗」と訳されることも多いですが、広く窃盗、横領や詐欺を含む他人の財物を侵害する「盗罪」を意味する言葉でもあります(今回の文脈ではこの「盗罪」の意味で使われているのではないかと推察します)。さて、この主張を前提に水原さんにどのような罪が成立するか考えてみましょう。現時点で報道されている事実を基礎とすれば、窃盗罪、横領罪、通信詐欺罪の3パターンがあり得ると思います

確かに窃盗という意味ではないように受け取られますが、これはあくまでこの弁護士の方の推察であります。また、仮に盗罪全般で使っているとしたら日本で言えば財産犯的な意味なのでしょう。
改めてリプを見ると
大規模な盗罪(Massive Theft)」での告訴の場合は横領も含まれます。現時点では、どちらの意味でも通りますよ。
巨額な窃盗で告訴しているという事に対しての指摘なので窃盗ではなく盗罪全般で告訴した、という意味に捉えられます。確かに一見おかしくない文章なのですが、Theftは窃盗という意味もあることに違いなく、むしろこちらの意味でつかわれる場合が多いでしょう。また、盗罪として観念すると横領や詐欺まで含まれますが、弁護士が告訴するときにそういった盗罪全般で告訴したりするものなのか?少し疑問ですね。
アメリカでの刑事告訴がどんなものか分からないのでなんとも言えませんが、日本で言えば財産犯として告訴したみたいな感じになるのでやはり違和感を覚えます。
そもそも、罪名を特定しないのであれば窃盗にあたるような言葉を使う必要もなく、更に言えば詐欺という言葉も使われていることから明確に区別して使っていることが分かります。窃盗と詐欺はまったく別の構成要件なので対象とされる行為が別ということなのかもしれません。
別の解説では詐欺というのはいわゆるコンピューターに不正アクセスしてお金を引き出すような行為を指しているようだとあり、確かに日本でも電子計算機使用詐欺みたいな罪名があります。

何が言いたいかというと、Theft=盗罪というのが窃盗や横領まで含むものであったとしても窃盗で告訴してないとは言い切れず、またTheftが窃盗や横領まで含むものだから現時点でどちらにでも解釈できるかというと、それは結局Theftを使った当事者がそういう意味合いで使ったという前提の話であって、Theftを窃盗として使っていた場合はそうではなくなるわけです。
言わば、最初に既に結論ありき(Theftを盗罪として使っている)のロジックと言えるでしょう。
だからなんとなく腑に落ちなかったのかもしれませんね(笑)




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