三好長慶は最初の天下人???~日本人の歴史常識
2024/04/02
今日もまた腑に落ちない日本語に出会う。。。
最初の天下人三好長慶・・・
ん?天下人ってそもそもなんだろう。当時はまだ室町幕府があったわけだし、最初に幕府をつくったとされる源頼朝はじゃあ天下人ではないのか?
三好長慶は本格的な天下人ではなく
あくまで足利将軍家の執権に近い立場になります。
官位も従四位下『修理大夫』止まりで
武家最高位である足利将軍より格下ですからね。
将来的には自ら天下人になった可能性はあるけど
三好長慶は42歳の若さで病死してしまったので
正式な天下人(足利将軍を超える官位)となるには
年月が足りなかったというのが実情だと思います。
一方の織田信長は
足利義昭を追放した時は『右大臣.右大将』なので
足利将軍よりも格上もちろん武家最高位
名実共に正真正銘の正式な天下人となっています。
天下人の地位は定義の曖昧なものではなく
天皇より政権(天下)を託された武家の頭領なので
武家最高位であることは基本的は絶対条件です。
武家の頭領(武家最高位)ではないが
最高実力者として政権を握っている者は執権です。
人によっては当時の天下である畿内を支配している天下人、みたいな説明もあるが、それにしてもこれまでの幕府の将軍は天下人ではなく、三好長慶が最初の天下人になってしまうという理由にはならないし、中には戦国最初の天下人、みたいなフレーズもある。
確かに実質的に日本全国の中でもっとも力が強く、ほぼほぼ歯向かう勢力がいなければ天下人と言ってもいいような気はするものの、そうだとしても三好長慶が日本を支配しているとまでは言えないような気がする。しかし、それを言い始めると幕府だってどれくらいの支配力があったのかと言えばそれはそれで色んな見方ができる。
天下人そのものの定義が人によって違うならもはやそれを議論しても意味がないので三好長慶が最初の天下人としてもいいのかもしれないが、だとしても最初の天下人は言いすぎな感が否めない。
言うならやはり戦国最初の天下人だろうか。