今日のヤフコメ~日本人は黒人差別問題がよくわからなくて当然?

   

「大坂なおみのマスク」に日本の多くの 選手が沈黙。高橋美穂「残念です」
ヤフーニュースのタイトルは興味をひくためだろうが非常に誤解を招くものが多い。
記事をかいつまむと
大坂なおみ選手の黒人差別問題に対する行動に対して日本人アスリートに対してどう思うか聞いたところほとんどが沈黙だったという。
この記事に対してヤフコメの上位に並んでいる意見は記事のタイトルから日本人アスリートがあたかも大坂なおみ選手の行動に対して批判的だと受け取られかねないというもの。
もう一つ、日本人が黒人差別に関してよくわからないのは当然だというものが目を引く。
記事の趣旨としては大坂なおみ選手の行動に対して何も発言しない日本人というのはどうなんだ?(差別に関して何も意見がない)というふうに私は理解したのだが、コメントを見ると沈黙するのはある意味当然だろうという意見が多い。
確かに、日本人がずっと日本で生活していて黒人が差別されるのはおろか、黒人が警官から射殺されるなど身近にない。だからよくわからないのが当然である。よくわからない問題に関して知ったかぶりで意見するのもよくないという一見すると至極まっとうな意見。
しかし、よくよく考えてみるとその問題が身近にないからよくわからないで当然というのはどうだろうか?例えば児童虐待について、ニュースではよく聞くけど身近にそんなこと見たことも聞いたこともないからよく分からない。もちろん、その人にとっては何の関係もないからそれで構わないかもしれないが、身近になくても関心のある人が多いだろう。そして、自分なりの意見を持っている人もいるに違いない。中には積極的に行動する人もいるかもしれない。しかし、黒人差別問題は身近にないからよくわからなくて当然であり、わざわざ批判するようなことでもない。
確かにそうだが、もっと日本人も関心を持ったほうがいいのでは?という話だろう。
その反面香港での人権弾圧などでは違った反応をみることができる。香港の人権弾圧のようなことが身近に起きているらしい。

 

そもそも分からないならはっきりと分からないと答えればいいだろう。それを黙ってしまうということは分からないから答えないのか別の意見を持っているのかさえ分からない。仮に分からないから答えなかったとしたら分からないということが恥ずかしかったから敢えて沈黙したのかもしれない。

日本の場合は、ことなかれ主義になってしまう傾向が強いです。例えば、新型コロナウイルスで揺れた今年の3月にJOC理事の山口香さんが『選手がしっかりと練習できない現状では東京五輪は延期すべきだ』と発言されました。選手の立場を考えれば当然出て来る意見です。

 対してJOCの山下(泰裕)会長が『JOC内部の人がそういう発言をするのは残念だ』と諫(いさ)められました。しかし、同じ組織内でも同調する必要はまったくないと思います。そのために複数の理事がいるわけですから。あの時点では山口さんは自分の意見を発言しただけですし、それに活発な議論が加わるべきです」

言いたいことがあるのに沈黙を強いられてしまう日本アスリート社会。
言いたい事があるのに沈黙してしまうのは様々な影響を考えてかもしれない。
しかし、本当は言いたい事なんか実は何も持ち合わせていないんだと、ヤフコメを読んでいると思わされる。多分そういうことなのだろう。




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