立ち位置によって変わる正義~傑作の誉れ高いコブラ会を観る

   

netflixに久しぶりに再入会しました。
評判の高かった「コブラ会」を観るためです。
40代前後の人には懐かしい、あのベスト・キッドの登場人物のその後を描いた作品で当時の登場人物たちが現在の枯れた中年で(笑)登場。
しかも、主人公だったダニエルがそれなりにいけすかない大人になっていたり、逆にあのいじめっ子ジョニーがそれなりに共感を呼びそうな人間として描かれていたり、さらにその子供たち、果ては・・と、まあよくここまで考えられるなというくらい面白い脚本になっています。
個人的にはジョニーの先生が登場したあたりで見るのを一旦やめましたが、この作品を観て一番思ったのは人間はどっちサイドか、あるいはその人の置かれている立場、見る視点によってこうも印象が変わってしまうのかということ。
アフリカのサバンナで弱肉強食の動物の世界のドキュメンタリーなんかでもモロにこういうのが出ますよね。シマウマの親子目線で描かれていたら、ライオンは敵なのは当然で、でもライオンの親子目線で描かれていたらどうでしょうか。
何日も食事をとっていないライオンの子供に食事を与えようとライオンの親がようやく獲物であるシマウマを見つけたにも関わらず逃げられてしまう。さて、あなたはどっち側でしょうか。
コブラ会でも同様。いじめっこ、ヒールだったジョニーが、ダニエルのようなミゲルをこれまた昔のジョニーたちのようなグループから得意の空手で救います。
ダニエルは商売が成功してお金持ち。娘はお金持ちグループの一員として、遊びほうけてジョニーの車にぶつけて逃げ去ります(笑)
さて、ジョニーがミゲルにダニエルとのいきさつを話すシーンがあるのですが、立場によってこうも違った印象をもつのか本当に参考になります。
映画のあらすじなどではだいたいダニエルが不良グループに絡まれるとか、ジョニー達にいやがらせされるなどと書かれています。映画を見ても確かにそういう印象。ダニエルは善でジョニーが悪。
しかしジョニー目線では自分の彼女にちょっかいを出してきた新参者。しかも不意打ちをくらったから仕返しをしただけ。
トイレではいきなり水をぶっかけられたり。最終的には自分の彼女をとられる始末。
これだけ聞くと確かにダニエルって嫌な奴と思ってしまうかもしれません。
コブラ会ではジョニー、及びミゲルのほうに感情移入する人が多いと思いますが、いわばミゲルは昔のダニエルなのですが、先生はジョニーなわけです。
ミゲルは当時のダニエルのような存在だったにも関わらずいつの間にかジョニーのような言動をとるようになってしまいます。
とはいえ、我々視聴者はミゲル目線で見ていますからダニエルとジョニーが当時砂浜で対峙したような場面にミゲルが置かれたとき、ミゲルがジョニーのような態度をとってしまうのも無理はないと思わされてしまうのです。
この時、人は気づくでしょう。なんと自分の考えは浅はかだったのかと(笑)
さて、話は変わりますがこれと状況はまったくちがいますが、こんなヤフーニュースがありました。

女性運転の車に幅寄せ…停めさせ窓ガラス叩き「降りてこい!」強要未遂容疑で38歳男逮捕「警笛鳴らされ…」
愛知県豊田市で、今年8月、乗用車で幅寄せなどをして隣の車線の車を停車させたうえ、運転していた女性に対し「降りてこい」などと怒鳴ったとして38歳の男が逮捕されました。

コメントは大体想像できるものでしたが、みてみたところほぼ男のほうが悪いという流れです。誰もがこの記事をみたら思うでしょう。
もはやクラクションを鳴らされた理由などはどうでもいい話です。
でも逆に自分だったらどうでしょうか?身に覚えがないのにクラクションを鳴らされる。一度や二度ならまだしも何十秒も鳴らし続ける人だっていますよね。
確かにクラクションを鳴らすにはそれなりの理由があるでしょうが、それも勘違い、誤解だったりするかもしれません。
煽られる側にも問題あり? 相手をイラっとさせる運転パターン8つ
私も下手すると煽り運転、或いは強要罪で逮捕されていたかもしれません(笑)→あおり運転に敏感になり過ぎて逆にトラブルになっているのでは問題

 

人それぞれ言い分があるでしょう。そしてそれをいちいち聞いていたら収拾がつかない部分もあるでしょう。
問題は具体的状況も知らずにイメージだけで一方に加担してしまう点でしょう。
ある意味、人間って常にバイアスをかけて物事を見ているということかもしれませんね。
私も含めて。
なんつって




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