オン・ザ・ロードがなぜ名作として認知されないのか悩む

   

最近はネカフェで作業をしています。大体映画をながら見ながらやっています。
何度も登場していますが、huluのお試しがダメならU-NEXT,そしてアマゾンプライムなどなど。無料で見まくる弱小です。いやハイエナの方が合ってますね。
さて、本日の映画「オン・ザ・ロード」30年以上前の映画です。
オンザロードで検索するとアメリカの映画がヒットしてまったく上位に上がってこないというマイナーさです。オンザロード+渡辺でようやくヒットさせました(笑)
この映画プレミアムGYAO!の無料映画でやってました。※配信終了のもよう。ええ、もちろん有料だったら見てません、はい。
カテゴリーがセクシー・任侠になってますが何の偏見でしょうか?
監督がセクシー映画出身の和泉聖治氏だからでしょうか。確かにおっぱいが無意味に登場しておじさんウホッ的なとこもありはしますが。
この映画、泥臭さが出ていてなんか匂ってきそうな感じがします。昭和の時代にありがちないい意味でのギラギラ感と、そして時代の閉塞感が画面からにじみ出ています。

白バイ警官が事故を起こして女性にケガをさせてしまい、謝罪するために東京から鹿児島まで白バイで追っかけるという、プロットだけきくと多分どこも映画にしないだろうと思われる内容です。

冒頭、渡辺裕之扮する白バイ警官富島が岡田真澄扮するアメリカ人?を検挙してひと悶着あるんですが、このシーンで映画に入りこんでしまいました。白バイ警官らしからぬ言動、更には日本人を舐め切ったようなアメリカ人。このやり取りがなんかいいんですね。なさそうでありそうというか。ただ、この検挙の際にスクーターの女性(礼子)と接触してしまうんですね。
富島は謝罪しに行こうとしますが、課長は単なる骨折だとかなんとか言いながら警察のメンツを考えて行かせません。このあたりから沸々とうっ屈した何かが見え隠れし始めます。
富島(24歳)君は同期と思われる警官とナンパしたりしますが金持ちのおっさんたちに横取りされたりします。そして、あっさりとその同期が事故で死んでしまいます。
そんなこんなで、富島君、事故った女性礼子が足を引きずって歩いているところに遭遇、もういてもたってもいられません。
礼子の家まで押し掛けます。が、礼子は富島があの白バイ警官だと分かった瞬間、部屋の中へ逃げ込もうとします。謝罪にとりあってくれません。当然ですよね。しかし、分かった瞬間に無言でドアを閉めようとするあたりなかなかの描写だと思います。

単なる骨折だと言っていた課長にくってかかる富島君。後日また礼子の部屋へ行きますが、行き違いにお姉さんと車で沖縄へ帰ったとのことですぐさま追いかけます。

さあここから富島君とそして礼子とお姉さんとのロードムービーの始まりです。
富島君、勤務中ですから当然、制服に白バイで追いかけます。ありえませんよね。なぜわざわざ制服きて白バイで追いかけるのか?最後の最後で課長に聞かれるんですがそこでようやく答えが見つかりました。
課長は言います、こんだけたくさんの警官に迷惑をかけてと、そうです課長はいつも組織のメンツみたいなことばかり考えているのです。そして富島君はわざわざ制服を着て白バイで追いかけることによってこの警察組織、ひいてはこの閉塞した状況をぶっ壊したかったのではないでしょうか?また、そうすることによって礼子への責任をとりたかったのではないでしょうか?普通に休暇とって追いかけるのではなく勤務中に制服着て白バイで追いかけたら警察官としての人生は棒にふってしまいますよね。
この組織への抵抗や時代の閉塞感といったものをテーマにした映画やドラマ小説は昭和の時代は頻繁に作られていましたね。
この映画もそういったことが随所に出てきます。
富島君を捕まえにきた白バイ隊員も、最後は富島に共感したような言動をとりますし、警察無線を傍受していたスタンドの店員は関門海峡の検問を突破させるために自分の自慢のバイクで爆走します。
また、最終地点の鹿児島では噂を聞きつけたバイクの集団が応援に集まってきます。

礼子とお姉さんは段々富島に共感していくようになります。これがかなり自然な感じで無理がないです。礼子は自分のモデルの将来を奪った男に対して最初は頑なな態度をとっていました。当然ですよね。
でもそのうち富島君に共感していくようになるのです。でも、キスしたりとかありません。さすがです、途中で二人手をとりあってとかなると興覚め必至でしょう。なんかエロいシーンがあるんで富島君とやっちゃってるのかっ!?と思ったらお姉さんが援助交際でお金稼いでいた回想シーンでした。どうやらお姉さんもこれまでの人生をリセットしたそう。そんな表情をしています。お姉さん役の秋川リサさんもいい味を出しています。富島君が妹にケガさせた加害者だと分かると、バツとして富島君にタンポンを買いに行かせたりする度量の広さがあります。

事故の被害者と加害者というと少し重たいテーマになりそうでしたが、ところどころ笑いを誘い、そして、青春のロードムービーとして作りあげた和泉聖治監督。

白バイが白バイに追われる、白バイがパトカーに追いかけられる、なんとシニカルな映像でしょうか。

しかしながら本作、まったくといっていいほどどこにも取り上げられていませんね。テレビなどで再放送も見たことありません。
何故でしょうか?主演の渡辺裕之氏のセリフ回しがたどたどしいからでしょうか?ヒロイン役の藤島くみさんがマイナーだからでしょうか?

最後、富島君が海に投げ出されるのですがそのシーンにきれいな虹が写っています。素敵な映画です。

オンザロードが無料で見れるかもしれないのはプレミアムGYAO!
どうやら配信終了したもようです・・




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