すじぼりを観て~ヤクザもサラリーマンも官僚も実は同じなのか問題

   

本日の動画は「すじぼり」
ネットカフェでやってました。

原作は福澤徹三 さん。以前テレビでムロツヨシさん主演でやっていた「Iターン」が結構面白くて今回も期待を持ってみました。
あらすじ的にはごく普通の若者がひょんなことからヤクザの組に出入りするようになって様々な事に巻き込まれていくお話ですが、Vシネマのようにその世界でとんとん拍子に成り上がっていくようなお話ではありません。
逆に泥臭く血なまぐさい暴力に支配された世界にはその世界にふさわしい住人がいるのだという事に気付かされながらもなぜかその世界に魅力を感じてしまうような、なかなか見ごたえのある作品となっています。
なかでも視聴者も少なからず共感できるようなシーンがあります。
刑事が組長に対して人間以下のヤー公が、と罵倒するのですが、高橋和也扮する組長が組員たちが見てる前でひとつ演説めいたものを披露します。

「ヤクザが鉄砲玉を仕込む時は若いもんを痛めつけて人間らしさを叩き潰す
政治家や金持ちもやってることは一緒だ
権力者の一族がふんぞりかえって面白おかしく生きる為に貧乏人をガキの頃からしばきあげて社会のために目を閉じて耳をふさいで真面目に誠実に生きろ
それでさらに貧乏になって黙って死ねと
まったくうまくやりやがる
周りを見ろ、人間らしさを根こそぎ奪われてる」
「健気なツラに蹴りをいれられて
それでも顔のある大切さがわかりました、ありがとうございますと
にこにこ笑って頭下げるようなそんな白痴どもで溢れかえってやがる
白痴で奴隷!救いようがねえ
この国に生きるしあわせは奴隷のしあわせなんだ」

 

確かに。
なぜ共産主義は悪で資本主義は善なのか?
頑張ったものが報われる能力主義社会は本当にいい社会なのか?
以前こんな記事を書きましたが現代の労働者を古代ローマの奴隷に当てはめてみたら何の違和感もなかった
考えてみたらもし共産主義になったら一番困るのは誰かと言えば、そりゃお金持ち連中ですよね(笑)
最下層の底辺に巣くう私みたいな人間は生活をするという面ではどうでしょうか?
もちろん旧ソ連のように物が不足したりして社会全体が貧乏人なってしまうとどちらにしろ影響はあるでしょうが、それは共産主義自体がよくないというより一党独裁などの政治体制がよくなかったとみるべきかもしれません。

「全員死刑」や「獣道」でも感じましたが、最近の一部の若者やそのスジの人間の無軌道な残虐さ、凶暴性がよく描けているのだろうと思います。
半グレが公衆の面前で金属バットで人を襲う、などということをやらかしたせいでしょうか、映画やドラマでこういうありそうもないような事が描かれても決して作り事ではないという妙なリアリティを感じてしまいますね。
例えばアメリカ映画で銃撃戦を描いてもまったく違和感ないけど日本映画だと全然リアリティはないわけで、でも銃撃戦を描かなければ日本映画だってそれなりのリアリティを持って観客は見れるという、いいのか悪いのかよく分からない。そんなよく分からない世の中になってしまいましたね。
なんつって




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