経済学における論理の脆弱さ

      2022/06/21

以下備忘録です。見かけた方は気にせずに。
円急落でアジアのアマチュア投資家の円購入急増、買いの好機逃さず
この記事に対するあるコメント

香港は共産主義圏ですからちょっと違う事情もあるでしょうが、
世界中で円が買われ始めている傾向はあるようです。
個人的にも、高インフレ国の米ドルが買われているのは違和感があります。
高いインフレ率の国の通貨は、持っているだけで価値が大きく目減りしますから、売られるのが普通だからです。
「日米に金利差があるから円安になっている」という人も多いですが、こんなのは理由の後付けです。
(インフレ率を加味すれば、日米に実質的な金利差はありません。)
例えば、日銀が金利を上げるとローン返済負担増などで国民は痛みを強いられて、確実に貧しくなりますが、
実際のところ、日銀が利上げをしても円高に振れるとは限りません。
為替に関してはどっちに動くかは分からないものです。
「インフレ国だから米ドルを持っていると損をする」と考える人が増えればドルは売られるでしょう。

高いインフレ率の国の通貨は、持っているだけで価値が大きく目減りしますから、売られるのが普通だからです。
確かにインフレということはお金の価値がモノに比べて相対的に減価するわけですからそう言えると思います。
上記コメントにある内容は一般的によく言われていることなので別段おかしな意見ではなく正論だと思いますが、経済学を少し勉強すると、その経済学に言う論理解釈みたいなものがなんだかおかしいことに気付きます。個人的には特にミクロ経済だったかな。いやマクロも同じようなものか(もはやどっちがどっちか分からないレベル(笑))

さて、本題に戻ると、ドルが高くなっているのは以前に比べて金利が高くなったという意味が大きいと思います。別にドル円だけ高いわけではないですよね。
ドルインデックスも高くなっていますが、欧米全体でインフレですから、そうなると条件同じで後は金利差になるでしょうか。
勿論、金利なんて相対的なものなので金利を上げれば確実にその通貨が高くなるとは言えません。とは言え通貨が安い国が金利を安くしたら更に通貨が安くなるかもしれない、だから金利を高くして通貨を防衛する。
インフレだから米ドルを持っていると損をする、というのは一見理にかなった意見ですが、日本人が米ドルを持つ場合は結局円を売っている状態で、最終的には円に戻すわけです。この場合インフレの国の通貨を持つという事が損をするという意味は円高になる、ということに等しいです。つまりインフレ国の通貨だから価値が毀損するというのは本来モノの価値に対して言っているわけで、特定の国と特定の国との通貨を比較して考えた場合はそれだけでは測れません。
日米に実質的な金利差がないからドル高円安になるのはおかしいという意見も正論ですが、金利を上げたからと言って円高になるとは限らないのと同じで金利差が仮にないとしてもそれだけではドル高にならないとも言えません。
また、仮にインフレだとしても実質金利が日本をうわまわっていたらドル高になるとも言えるわけで、インフレの国だからと言って必ずしも相対的に通貨が安くなるとも言えないことになりますよね。

実質金利とは名目金利から期待インフレ率を引いたものです。日本と米国の実質金利に差はないでしょうか。
日米実質金利差
アメリカの金利が引き上げられてからも実質金利差は1%もありませんが、これをもってほとんど差がないとみるか金利差が拡大してきたとみるのか?
同じ指標であっても捉え方によって異なる結論になってしまう。それが経済学なのかもしれません。
なんつって




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