ファウルボール訴訟に見える日本人の弱点

   

ファウルボール控訴審、日本ハムに賠償命令 札幌高裁

ファウルボールが顔に直撃して右目を失明した30歳代の女性が、球団と札幌ドーム、その所有者である札幌市を相手取って起こした訴訟です。失明をされているということでただ事ではないですよね。

ヤフコメあたりにはいろいろと書かれていますが、私がもし野球を見に行って同じような目にあったらどういう行動を起こすだろうか?いや、その前に感情としてどういう感情が沸き上がるだろうかと自問自答してみました。

そこで、野球の本場、そして訴訟大国であるアメリカでは一体どうなっているのかちょっとだけ調べてみました。
参考になる記事がありました→野球場で失明、米国では免責

要約します。

米国では防護ネットがほとんど設置されていない。
訴訟は多発している。
しかし、球団側が負けることはほぼない。
負けない理由は「危険の引き受け」という考え方があるから。
危険と隣り合わせな観戦条件を承知しているため、免責が成立するとみなされる。
しかし最近はスタジアムのテーマパーク化で状況が変化している。
ファンが野球観戦に集中できない環境にて怪我を負っていると球団側が敗訴する場合もある。

有名なマクドナルドでホットコーヒーか何かを買って飲もうとしたらやけどして訴訟して高額な賠償金を手に入れたというような話からアメリカは訴訟大国なので被害者のほうが有利であろうという先入観を持っていましたが実際はそうではないという点です。 マクドナルド コーヒー事件

単純化すれば、危険だけど見たければ見ていいよ、その代わり自己責任ね、と言われていたら球団側は責任を負わなくていいわけですが、日本だとおそらくこの考え方は通用しないのでしょうね。
いや、通用しないというよりは裁判所がそういう判断をするから、と言い換えたほうがいいかもしれません。
現に、ヤフコメあたりでは見に行った本人の自己責任だという意見がかなり多いわけですが、裁判所の考え方は違うようです。
実際、球場内でしつこいくらいに注意喚起をしても裁判所は本人の自己責任とは判断していないようで。判決文を読んでいないのでなんとも言えないですが(読んでもよくわからないでしょうけど笑)

日本の裁判官は大学在学中に司法試験に合格するようなエリートです。
そして、若いころから裁判所と官舎を往復する生活を送り、車の運転さえしないそうです。そういったある意味純粋培養された裁判官という人種が世間の感覚からちょっとずれたような判断を下す。
そしてそれが社会のルールを形成していくわけですからちょっと怖い話ですよね。
ヒラメ裁判官という言葉もあるくらいですし。
昨今冤罪事件などが露見していますけど、そもそもそれをチェックするのが裁判官だったのではないでしょうか?
警察や検察はウソつかないという前提で制度自体作られて、起訴されれば有罪率は100%近い。
逮捕状が請求されれば却下されることもほとんどない。
勾留請求を却下しようものなら裁判所内が騒然となるような司法制度の国 →ある勾留却下
訴訟大国アメリカなどと揶揄できるでしょうか?

確かに自分が失明などしたら訴えるかもしれません。
でも、それとどちら側に責任があるかはまた別問題ですし、臨場感を出して観客を楽しませることを優先するよりも安全管理を徹底したほうがいいという意見もあるでしょう。
もしも人が亡くなったりすることを考えるとなおさらそうかもしれません。
ただ、あらかじめある程度の危険を想定してそれを理解したうえでの行動に対して、あまりにも国家が過保護的に介入するのもどうかという気はします。

※追記
地裁と高裁の判決文を比較されています→あなたが裁判官なら、どう判断する?札幌ドームのファウルボール直撃事故で報じられていない事実を踏まえて
なるほど、判決文をちゃんと読んでみるとネットのニュースでは触れられていないところも見えてきますね。




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