NASDAQ100が危機の際にボラが低いのは元々ボラが高いから?

   

ナスダックのボラティリティを調べていたらこんな記事が目に留まりました。
NASDAQ100がS&P500より金融ショックに強い理由

まず何をもって金融危機に強いとしているかというとS&P500よりもボラティリティが低いからです(わずかですが)。
ファイナンス論的に言うと確かにリスクとはボラティリティになるので特におかしいと思わない人が多いかもしれません。
また、コロナショックでも同様です。
正確にはVIX指数とVXNを比較しているので、実際の指数としてのボラティリティを確認してみたところ確かにS&P500のほうが高くなっていました。
面白いのはVIX、VXNよりも現物のボラの方が高くなっていると言う。これでいいのか恐怖指数。
さて、ではボラが低いからリスクに強いと言えるかどうか。
リターンで見ると、直近高値と安値の率を見ると、言うほどの違いはなさそうな。
結局ナスダックのほうがその後どんどん上がっていっているので比較する意味があまりなさそうです。
ここらへんは人によってとらえ方次第でしょう。
では、なぜナスダック100の方がボラが低いのか?
記事によりますと
要因の1つとして間違いないのは、NASDAQ100構成企業の並外れたファンダメンタルズの良さ
と、データを見ると確かにS&P500よりもいいんですね。これはナスダック100を買いたくなるのが人情。
しかし、ここでハタと思いました。
いやいや、ナスダック100ってそもそもボラ高いよね(笑)
ちなみに2000年~2022年のS&P500のボラは約1.23%程度年率23.5%、ナスダック100のボラ約1.67%年率32%でした。
多分ですが、ナスダック100のほうが危機時にボラが低くでるのは、元々ボラが高いものよりボラが低いほうが反応がでかくなるのではないかと思われ。
記事が言うようにファンダメンタルズがいいという理由なら普段のボラも低く出るのだろうと思います。これはファンダメンタルズがいいから価格が上がるということを否定するわけではありません。市場全体がボライタルになるときのボラティリティの出方に対する一つの見方です。
ファイナンス論的に言えばリスクに応じたリターンがあって然るべきだとするとS&Pはもっとリターンがあってよいともなりますが、普段のボラティリティはやっぱりナスダック100の方が高いわけですし、ボラが相対的に低いという理由だけで危機時に強いとは判断できないと思います。
どっちにしろ同じような下落を危機時はしているわけですし。




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