VIXショックで大儲けした「謎の投資家50セント」はコロナでも爆儲けか

      2022/02/06

謎の投資家「50セント」、VIXコールオプションを大量購入か

ウェルズ・ファーゴの株式デリバティブ担当ストラテジスト、Pravit Chintawongvanich氏は、このオプション取引について、大量のVIXオプションを50セント付近で購入することで知られる謎の投資家「50セント」の過去の取引に酷似していると指摘。

この投資家は、昨年夏や2018年2月の株価下落に先立つ数カ月間にも、同様の大口取引を行ったとみられている。

この謎の投資家50セントはVIXショックでそのスジでは有名になったので記憶に新しいのだが、なんとコロナショック前にも同様の取引を行っていたのである。
ここでVIXおよびオプションについて簡単に説明しておくと、VIXはS&P500が暴落したら逆に急上昇する指数のことであり、コールオプションはそれを買える権利のことである。
従ってVIXコールオプションを買うという事はアメリカ市場がゲロ下げすることに賭けていると言ってもいいだろう(勿論ヘッジ目的ということもある)。
この記事の日付は2020年1/29日であり、コロナで市場が荒れたのは2月下旬からである。

2月限のコールオプションを大量に購入した。購入価格は1枚当たり約50セント。

VIXが上昇すれば価値が高まるオプションで、2月下旬までにVIXが22に到達すれば、権利を行使できる。

オプションには期限があるが、VIXの場合実際はウィークリータイプのものあるのでどの期限かは厳密には分からないが基本となる限月であれば満期は2/19日である。2/19日はまだコロナショック前でVIX指数の始値は14.66、終値も14.38なのでこのコールオプションは紙くずとなっている。
が、実は3月限のコールも買っていた可能性が高い。

27日と28日には、少なくとも1人の投資家が3月限のVIXコールオプションを大量に購入。購入価格は57.5セント、59セントだった。VIXが28に到達すれば権利を行使できる。

さて、3月限の満期は3/18日である。最終取引日は前日である。
3/16日のVIX指数はなんと82.69で終了。である。VIXのオプションはVIX指数で清算されるが満期前は先物に連動する。3/16日のVIX先物3月限の終値は72.05である。
権利行使価格28のコールなので少なくとも42.05ドルの価値を持っている。実際はIVが上昇しもっと高いはずだが。少なくとも1枚41ドルは利益となり、VIXオプションは1枚100単位なので4000ドルの利益。
記事には何枚買ったのかの言及がないが、もし「50セント」だとしたら数万枚単位で買っているはずである。仮に1万枚買ったとしてもコストは58万ドルほど。そして利益は4000万ドルを優に超えるだろう。こういう取引は賛否両論だろうが、5年に一度のホームランでも充分な利益となる。
実際は5年に一度どころではなく、わずか2年前にも規模は小さいもののVIX急騰があったのだから文字通り(笑)がとまらないだろう。
「50セント」のVIXトレードが結実-辛抱重ね資産2億ドルに急増
 

先週の市場の混乱に乗じた最大の勝者の中に、VIXオプションに連動するアウト・オブ・ザ・マネー(OTM)を1枚約50セントで買っていた投資家がいる。マクロ・リスク・アドバイザーズ(MRA)のデリバティブ戦略責任者プラビット・チンタウォンバニッチ氏は、「50セント」として知られるこのトレーダーが2017年初めからの一連の取引で計2億ドル(217億円)近くまで資産を増やしたと推定する。ひと月で4億ドル相当振れた恩恵を受けたという。

上記の記事は2018年2月であり、その時点で2億ドルは儲かったと推定されている。毎月100万ドル分くらい買い続けても痛くもかゆくもないだろう。
とはいえ、一般人には真似のできないやり方である。なんせ勝率が物凄く悪いから毎月毎月損を積み上げていくからである。
もっとも、毎月宝くじやtotoを買う人もいるくらいであるから、少額ずつVIXのコールを買うのも悪くないかもしれない。




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