国債先物と現物のサヤ取りってできるのかしら?

      2022/06/18

以下備忘録です。

https://www.cmegroup.com/ja/education/files/basics-of-us-treasury.pdf
例えば5年物米国債先物では、元の満期が5年3カ月以
内で、残存が4年2カ月以上の米国債が受渡適格銘柄と
なります。 受渡のメカニズムにより、米国債とその利回り
(金利)と密接に関連していることで、先物価格の完全性
が確保されます。 現実には参加者のほとんどは、先物の
ポジションを閉じることで、または、もっと満期の長い先物
商品にロールすることで、米国債先物の取引を行ってい
ます

現物と先物にサヤがあれば高い方を売り安い方を買う事により裁定取引ができます。
国債の利回りが上昇するということは国債の価格が安くなったという事を意味しますが、国債の価格がいくらになろうが満期になれば元本は戻ってくるわけです。
そこで疑問に思ったわけです。国債の利回りが上昇しているときは先物価格も安くなっているわけですが、満期になって先物が清算、受渡されるときに現物が基準となれば現物は元本保証で価格は額面になり、安い先物買っていれば絶対損しないよな、と。
勿論そんなことはなく、上記に書かれているように、受渡される対象の国債の残存期間が決まっている。
要するに5年物の国債であれば現在の5年物が対象で、先物の満期がきたときに同時に満期がくる国債が対象ではないということ。
また、国債先物の場合はいわゆる現渡しになるようで、そうなると先物の買い方が満期で権利行使をするということは結局国債を買い保有することになる。
つまり安い先物価格で国債を買うことになり、それを満期まで保有すれば勿論額面及び利息が確保されるのでやはり結果的にはサヤ取りできることになる。
もっとも、そのサヤを満期まで保有する期間の利回りがどうなのか?という点が問題になる。
仮にさらに国債価格が下落していき、要するに金利が上昇するとなると、満期を迎えた時には更に金利が上昇していて、相対的に利回りが低くなっていた、なんて言う事もあり得るわけです。
とは言え、損はしない(当該発行国がデフォルトしなければ)。そこらへんをどう考えるかでしょうが、結局は今後の金利の見通しをどう判断するのかという点にかかってくるわけで、それが分かれば苦労はしない。。。。

おあとがよろしいようで。。。

※追記 国債は現渡し?
日本の国債先物って実は1種類?だとか、現物の受け渡しを選択できるだとかその後いろいろと新たな事実が判明(知らなかっただけか(笑))
2年程前に原油先物がマイナスの価格をつけた事がありましたね。
原油は現渡しが基本なので先物を買って満期まで保有すると原油の現物を保有することになる。
しかし、当時はどこも満杯状態これ以上受け入れられない状態なので先物の買い方は満期前に転売したい。
とはいえ、どこも買いたくない(笑)
よって価格がマイナスになった。売っているほうは逆に買い方にお金を払ってでも買って欲しいというわけだ。

そこで国債はどうなのか?
先物対象の国債というのは当然無尽蔵にあるわけではない。先物を売ったら買い戻すか満期まで保有したとしてもほぼほぼロールするらしい。
先物を売る、ということは要するに満期になったら現物を買い方に引き渡すということなので現物を持っていなければどこかから調達する必要がある。この点差金決済などとは違う点。
日本の国債の場合は超絶怒涛の買い方である日銀がいる。しかも在庫も有限で買い占めることだってできる。なんせお札は刷りまくれるから資金は無限大。そうなると売り崩すということはどうも無理ではないかと考えるのが道理のようだ。
確かに、諸外国との金利差が拡大している今、このままだと更に円安が進むのでそれを食い止めるためには金利を上げるという発想になるのも道理。だから国債を売り仕掛けるのが論理的整合性がある。
しかし、それは円安をくいとめるために金利を上げなければいけないという前提であって、円安を放置する場合はそうはならない。
円安が進めば輸入物価上昇、そしてインフレ。
諸外国はそのインフレ退治に躍起となっているから、日本もそうなるはずだと。
しかし、日本の場合そもそも2%のインフレターゲットを設定していたはずであるが、あれはどうなったのか最近はあまり聞かない。デフレに苦しみインフレに誘導しようとして、多少インフレになったからと言ってすぐに金利をあげるというのも変な話である。
そもそも、円高にしようと金利を上げたらさらに円安が進む可能性だってある。




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