競馬で万馬券をあてると納税で破産する?

      2022/06/16

競馬で6400万円当てたインジョンじゃい“マンション買えるくらいの請求”で「破産しました」
そこで出た結論が、マンションを買えるくらいの値段の請求がきました。競馬での額なのですが、はずれ馬券が経費にならないと。わかりやすく言うと、1億円使って、1億5000万円勝ったとしても、1億5000万円分の税金がかかるということで、5000万円しか勝ってないくても、丸々持っていかれてしまうというような状態です

認められた「馬券のプロ」 競馬払戻金課税で判決
 大阪市の元会社員が2007年から09年の間、インターネットで28億7000万円の馬券を購入し、払戻金30億1000万円を得た。一般的なサラリーマンの場合、一時所得のもうけが年90万円を超えると申告義務が生じるが、元会社員はこれを怠ったとして大阪国税局が税務調査。6億4000万円の所得税が課され、検察は払戻金を申告せず5億7000万円を脱税したとして起訴した。5月23日の大阪地裁判決は所得税法違反は認めて、懲役2月・執行猶予2年(求刑懲役1年)を言い渡した。しかし、脱税額については「利益は外れたレースも含めて継続的に馬券を購入してきた結果によるもので、当たった馬券の購入代だけでなく、外れ馬券の代金も必要経費になる」という元会社員側の主張を認め、5200万円に減額した。

平成25年5月23日  大阪地方裁判所  第12刑事部

平成29年12月15日 最高裁判所第二小法廷
1 予想の確度の高低と予想が的中した際の配当率の大小の組合せにより定めた購入パターンに従い,年間を通じてほぼ全てのレースで馬券を購入することを目標として,年間を通じての収支で利益が得られるように工夫しながら,6年間にわたり,1節当たり数百万円から数千万円,1年当たり合計3億円から21億円程度となる多数の馬券を購入し続けたこと,上記のいずれの年についても年間を通じての収支で利益を得ていた上,その金額も,少ない年で約1800万円,多い年では約2億円に及んでおり,回収率が総体として100%を超えるように馬券を選別して購入し続けてきたといえることなど判示の事情の下においては,上記の購入により得た当たり馬券の払戻金は,所得税法35条1項にいう雑所得に当たる。
   節  :競馬開催日又はこれが連続する場合における当該連続する競馬開催日を併せたもの等
   回収率:全ての有効馬券の購入代金の合計額に対する当たり馬券の払戻金の合計額の比率
2 偶然性の影響を減殺するために長期間にわたって多数の馬券を頻繁に購入することにより,年間を通じての収支で利益が得られるように継続的に馬券を購入しており,そのような一連の馬券の購入により利益を得るためには,外れ馬券の購入は不可避であったという事情の下においては,外れ馬券の購入代金は,雑所得である当たり馬券の払戻金を得るため直接に要した費用として,所得税法37条1項にいう必要経費に当たる。

まず競馬の払戻金は一時所得に分類されるのが原則だそうです。
一時所得は必要経費などは認められないので、はずれ馬券を仮に何十億購入していても直接当たり馬券の購入に使っていなければ払戻金から差っ引くことはできません。
とは言え、まるまる課税されるのではなく、ざっくり2分の一なので記事のように5000万の払い戻しがあって5000万の納税を求められるということはないと思われます。
そもそも申告していたのになぜ税務調査が入ったのか?その点は置いておき、ヤフコメにもあるように競馬でいくら儲かっても全部税金にもっていかれるなら競馬やる人いなくなるじゃん、という懸念も分かります。
しかし、前述のようにまるまる税金がかかるわけではないので普通の娯楽の範疇であれば問題ないはずです。
いや、俺は年間500万は馬券に使っているのに500万あたってそのうちの半分も税金に持って行かれたら(実際はもっと少ないですが)やってらんねーよと。確かに500万は外れているから500万儲かってプラマイゼロでいいじゃないかと。

とは言え、一時所得というのは結局のところ一時的な所得、言わば娯楽の範疇でたまたま得たオカネという位置づけ。だからこそ50万円程度は控除されますし、通常は万馬券あたって数百万儲かってもイチイチ税務調査に来たりしないでしょう。
しかし、これがそうではないとみなされる場合もあると。
有名な馬券裁判の方はもはや娯楽の範疇を超えていますよね。多分ほとんどの競馬ファンは思うに違いないでしょう。あんな馬券の買い方して何が面白いんだと。
裁判所の判断としては娯楽ではなく一時所得でもなく雑所得に分類されると。雑所得に分類されると経費というのが認められるそうです。
雑所得とは?税率や控除を理解して確定申告に備えよう
一つ一つのレースを楽しむために馬券を買っているのではなく、あくまで年間通してトータルで利益を得る目的。
実はここがキモで、一つのレースの勝った負けたではなく、最終的に損益がプラスになるように馬券を買っていくので、そうなると、ある馬券を買ってそれが当たったらその馬券購入費用だけが経費となるのではなく年間通しての全体の馬券購入費用が経費となるという。
逆に言えばいくら馬券を大量に買っていてもそれが当たり馬券が当たるために何の効果も与えていなければ経費と認められない可能性もある。

Aその馬が勝つかどうかを予想してその馬券を買う Bもう1頭同じように予想して馬券を買う

結果Bが当たる

Bが当たったのはBの予想をして当たった結果であってAの馬券購入が直接的にせよ間接的にせよ必須だったかと言われれば関係ありませんよね。
従って、じゃいさんのような馬券の買い方だと仮に馬券購入が経費として認められるとしてどの範囲までなのかかなり争われそうですし、そもそもそんなに経費として落とせるほど馬券自体購入していないのではないでしょうか。かなり上手い方ですよね(笑)

※追記

じゃいさん、結局不服申し立てしたようですね。
【独自】競馬で6400万円的中も“巨額徴税”…お笑い芸人不服申し立て「歴史変えたい」

5年間トータルだったんですね。つまり税務署も今まではそこまで稼ぐとは思っていなかったのかもしれませんね(笑)

1レース10万円投下×10 5レース勝ち 30万×5 回収 これだと一応50万プラスになりますね。
しかし、税務署としては100万円に対して課税する感じでしょうか。とは言え一時所得だとその半分が課税対象になるので結局50万円が総合課税されますね。
これだと雑所得で経費認められた場合とあまり変わりませんね。

3レース勝ちだと90万プラスだけど10レースで100万投下でトータル-10万円。
でも税務署的には(30-10)*3 60万の半分30万を一時所得に認定した感じでしょうかね。年間50日だと1500万課税されますね。この場合はトータル年間マイナス500万円なんですけどね。そんなバカな話あるかって、そりゃなりますがな(笑)
馬券購入履歴や収支も分かってて、トータルマイナスだったら流石に追徴課税なんかしないと思いますからじゃいさんはもっと儲かってるんでしょうが。
物凄く儲かった年と儲かっていない年が混在している感じなのかもしれませんね。そして儲かっていない年にも課税されている。でもじゃいさん的には儲かっていない年は外れ馬券を全て経費とみなして儲かっていないと申告しているんでしょう。

じゃいさん:「負け続けたら(1カ月で)100万円、200万円負けることもある。ただでさえ難しいんですよ、勝つのが。ほとんどが回収率100%超えていないので。100%超えたら超えた分、下手したら、超えた分以上持ってかれてしまうと。当たったら怖いみたいな思いを、競馬ファンにはしてほしくない」

年間トータルで500万負けた年でも500万位追徴課税されてる感じなんでしょうか。毎年ちゃんと申告しているということなので儲かった年は税金的にはあまり変わらず、儲かっていない年のほうがギャップが大きいのかもしれませんね。

いやなら競馬しなきゃいい、と言ってしまうと観も蓋もないですよね。
すべての事に対してそういう思考は思考停止と同じで、おかしい事や変な事に対しては自分なりにどこがおかしいのか、本当に変なのかとか、いろんな人の意見も加味して考えることが必要だと思います。

なんつって




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