日本の病院が患者を待たせるのは患者本位だからだろうか?

   

日本の病院が患者を待たせる意外な理由

この記事によれば当日受診したい患者さんを出来るだけ当日に診ようとするために予約制をとらない日本の病院は欧米に比べて患者本位であると結論付けられていますがどうでしょうか。

実際には欧米のほうが日本に比べて患者の満足度は高いという結果がでていますが、一概に当日受診したい患者さんを診る為に努力している結果、待ち時間が多くなっているとは言えないでしょう。

そもそも医療制度自体が違います。日本の医師が一日診る患者の数は50人~60人、一方欧米の医師は一日10人程度というデータもありますね。
だからといって欧米が必ずしも良い医療だというつもりはありませんが。
患者本位の為に待ち時間が多くなっている、という結論はいかがなものでしょうか?
大学病院などで専門性の高い医師に診てもらう場合は基本的に紹介状が必要です。当日発症して当日診てもらいたい場合は当然予約なんかなくても診て貰いたいので地域の医療機関に行くと思います。その際に待ち時間が長いのと紹介状ありで受診する場合の待ち時間の長さとはまた違った視点が必要だと言えます。
予約制をとることが困難な場合と予約制をとることができるが敢えてしない場合、予約制をとってもあまり意味がない場合もあるでしょう。

当日受診したい患者の為にというなら、なぜ夜間は診療しないのでしょうか?土日祝日はお休みのところばかりですが土日祝日は病気はお休みなのでしょうか?
勿論、土日に体調不良になったら月曜朝イチで受診したいのが人情。予約制で水曜日と言われるよりは何時間でも待っていいから月曜日に診て貰いたい人もいるでしょう。
そういう患者さんにとっては確かに予約制ではないほうがいいでしょう。現に私も最近首痛で近くの病院に行ったら予約優先で何時間待ちか分からないと言われスゴスゴ帰ってきたことがありましたが、これは予約優先云々ではなくつまるところ待ち時間が長いからなのです。

結局のところ予約制がいいのか悪いのか?というよりは一人の医師が診る患者の数が多すぎるのであって、確かに当日診て貰いたい患者を当日診てあげようと努力し、患者本位の側面はあるものの、それが結果として患者本位になっていない場合もあるわけで、もし医療関係者が患者本位になっているから仕方ないと現状を放置するなら、それは怠慢かもしれません。




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