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Burn the Bridge behind you

投資情報に騙されないためにデルタヘッジは神の手か問題

   

「デルタヘッジ+損する」で検索したらこのブログの記事が1ページ目にあらわれる(笑)
それらの検索結果の中でこのような記事が目にとまる。
こんな人は生命保険に入らなくてもいい?
オプション売買のリスクについての考え方と生命保険をからめた記事のようで興味深くて読んでみた。
2ページ目にコールの買いと空売りを同時に行い、オプション価格がいくらか適正なのか記載があるが、言っている事自体は間違っていないものの、知らない人が読んだらミスリードしてしまう部分がある。

 

現在100円の株がある。
①この株を0.5単位空売りする
②と同時にコールオプションを買う。
1年後150円に上昇。
①-25円
②+50円
25円の利益になるが、勿論コールを買う購入費用が必要だ。従ってこのオプション価格は25円が適正であるとする。
確かにこれより安い価格の15円だと、この取引は確実に利益になる。

 

もうお気づきの方もいるように、これは将来株価がいくらになるか分かっているからそう言えるだけであって、株価がいくらになるか分からなければ確実に利益になるとは言えない。仮に15円でコールが買えても株価が110円で終われば①はマイナス5円②もマイナス5円である。
また、1ページ目を見てみよう。
https://diamond.jp/articles/-/90241
ここではリスクの比較として株式SとTの2つの株式が登場する。
両者とも株価は100円であるが株式Sは50円上昇する確率が50%なのに対して株式Tは80%と高い。逆に50円下落する確率は株式Sは50%、株式Tは20%しかない。50%も上がる確率が80%で下落確率20%ならこの株は即買いじゃね?という点はあくまでそういう条件として置いておこう。
重要なのは株式Sも株式Tもオプション価格は同じだと断言されている点である。
果たしてそうか?
それを証明する手段として2ページ目が用意されているわけだが、この証明には致命的に欠落している点がある。
ボラティリティである。
ブラックショールズ計算式でオプション価格を計算する場合はIV=予想ボラティリティが必要である。
当該記事ではオプション価格は期待リターンの大きさではなくリスクで決まると看破されているが、そのリスクをブラックショールズ計算式ではボラティリティで判断しようとしているとも考えられる。
確かにリターンではなくリスクでオプション価格が決まるとしても、確率が50%と80%では1.6倍の差がある。
ボラティリティは標準偏差なので、ボラティリティが高くても低くても各σゾーンにおける確率自体は変わらないが、ボラティリティが高くなるとその幅が大きくなる。
いずれにしろ、ボラティリティが高くなればオプション価格は高くなる
リスクが同じという意味がどういう意味で使われているのか?
リスクが同じということはIVが同じで判断しているということもかもしれないが、記事では明らかに確率が違うとなっている。逆にリターンは同じであり、むしろリターンが同じだからオプション価格も同じと言ったほうがいいのではないか。
さらに言えば、上がる確率が80%で下がる確率20%という条件ではブラックショールズ計算式では適正なオプション価格は算出できないのではないかと思う。そもそもブラックショールズ計算式には問題点が指摘されていることから、他の計算式を使われているのかもしれない。

 

ということで、次ページにある神の如きデルタヘッジを読むのをやめた、という話でした(笑)

オプション価格はリターンではなくリスクで判断される。




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