本当にコロナショックでVIX売りのチャンスなのか?

   

先日米国VIベアを10枚だけ試しに買ってみましたが、翌日早速下落してさらに本日ロスカットされることが確定して滅入っている弱小ブロガーです(逆差をつけ忘れていたのは内緒です)。

さて、今回のコロナショックで株式市場が非常にボライタルな相場になっています。
新型コロナも初めの頃は過剰に反応するのはよくないとか散々言われていたのにこの有様ですし、株式市場の乱高下もリーマンショックと比べるのはいかがなものかと言われながらこの有様です。

株式市場も下がった時に買える奴が真の勇者みたいに言われますが、VIXも上がった時が売り時と言われます。
敢えてVIXの説明はしませんが、その根底にある考えは株はいずれ値を戻すし、VIXもいずれ落ち着くところに落ち着くという経験値でしょう。
それは歴史が証明しているので間違いではありません。しかし、ではいつ値が戻るのか?値が戻るまでに更に逆方向に行くことはないのか?逆に行った場合どうするのか?

これだけ乱高下している市場ですが、本日も朝起きたら一気にダウ先が4%くらい下がってて、金曜日下手にVIX追加売りなどしなくてよかったと胸を撫でおろすものの、そういえば米国VIベアを買っていたことを思い出し笑うしかない(笑)

さて、みなさんどれくらい損しているのか検索(性格悪いな(笑))
するとこんな記事発見→コロナショックで久しぶりにVIX投資のチャンス到来!売りの大チャンス!?

引用抜粋
パニックはいずれ終息する
パニックの終息=ボラティリティの下落
そこでVIX指数への投資を紹介
リーマンショックは、100年に一度と言われるぐらいのもの、今回のコロナ問題がそれに当たるかというと、疑問に思う
過去、15年においてリーマンショックを除けば、VIX指数は3度しか40を超えていないそれが39.16を昨日つけたのでVIX指数を売る好機
相場が元の水準にすぐには戻らないにしても、「下落が止まった」という状況になれば、VIX指数が急落する局面が来る可能性が高い

VIX触っている人は誰でも最後の「VIX指数が急落する」と思っているでしょう。
さて、パニックはいずれ終息はするでしょう。VIX指数もいずれ落ちるでしょう。
しかし、VIX指数にはそもそも投資できないので投資する場合はVIX先物やVIX関連のETF及びCFDを使う事になります。またETFの場合は概ねVIX短期先物指数が対象になっていますが、このVIX短期先物指数はVIX先物を見ています。
ここで取り上げられているVIX指数とは厳密に言えば違うという点に注意しておきましょう。

さて、VIX指数が40を超えたのは過去15年で本当に3度しかないのか?ちょっと調べてみました。
直近だと2015年8/24 40.74
2011年 合計11回
2010年 合計3回
2009年 多数

多分上記記事は2009年もリーマンショックに入っていて各年を1度とカウントしているのだと思われますが、肝心なのはでは40を超えてからどれくらいでVIXが落ち着くのか?という点でしょう。
一般的にVIXは20を超えたら売りという人が多いようですが(これも実際VIX指数を言っているのかVIX先物を言っているのか分かりませんが)、40をつけてから25前後になるまでの期間をみてみます。

2015年は8/27日には26.1まで下落
2011年は8/8に初めて40を超えますがその後何度も40を超え、10/27にようやく25.46になります
2010年は5/7に初めて40を超え5/12には25.52に落ち着きますが再度5/21に40を超え6/15に25.87になります。

確かにいずれは落ち着くところに落ち着いていますね(笑)
これをどう考えるかは人それぞれかもしれません。

そうこうしているうちにまたVIX先物を原資産とするCFDである米国VIが上昇し44を超えてきました。
通常の相場だとVIX指数がVIX先物より安い(要するにVIX先物が高く取引されている)ですが、このような相場だとVIX指数のほうが高くなる傾向にあります。
まだ米国市場は閉場していますので今夜の相場ではまた違った展開になるかもしれませんが、このままでいけばVIX指数はまた40を超えるのは必至でしょう。
ちなみに上記記事が書かれたのは2/28で、その後2回もVIX指数は40を超えています。

※追記

昨日、S&P500が移動平均以下に転換した日の終値ベースで-16%になりました。

-15%を超えるのはは2004年から2018年までのうち過去4回しか発生していません。

2008/10/27 -29.6%

2008/11/20 -16.8%

2009/3/9  -18.2%

2011/8/8  -16.6%

2009年もリーマンショックに含めて、リーマンショックを除けば過去1度しか発生していないとも言えます。

 

さて、この時のVIXはどのような動きをしていたのか参考に見てみましょう。データを貼っても誰も見ないでしょうから掻い摘んで言うと

2008/10/27の時はVIXが80をつけて参考にならず(笑)ちなみにこの時は10/6ですでに-17%を超え、VIXは52.05で終えています。

 

2008/11/20の時もVIXは80をつけています。

 

2009/3/9の時はVIXは49.68とそれほど高くありません(もはや感覚が麻痺してきている模様)のでこのあたり参考になりそうです。この時は移動平均がプラ転するのが3/12でその時のS&P500は750.74(3/9の終値676.53)VIX41.18。

 

2011/8/8はVIX48で翌日一気に35.06まで落ちていますが、その翌日また42.99まで上昇8/15には31.87まで下落しますが、8/18には再度42.67まで上昇。移動平均がプラ転する8/29のS&P500の終値1210.08(8/8の終値1119.46)VIX32.28。

VIXは48から30台前半とだいぶ下がったように見えますが、40%も下がっていません。この時の移動平均マイ転直前のVIXは20.23です(S&P500終値は1331.94)から上昇率は100%以上です。

つまりS&P500は1119.46から1210.08へ約8%回復、VIXは48から32.28へ約32%減少。

ここで注意が必要なのはVIX指数自体は取引できないので取引するにはVIX先物やVXXなどのVIX関連の商品を使う必要がある点です。VIX先物はVIX指数で最終的に清算されますが、限月という壁が存在します。つまりVIX指数が下がり切る前に満期がきてしまう可能性があります。

この時は丁度満期が8/17ですが先物の清算は最終日の午前9時なので便宜上8/16の価格を参照すると終値32.85。8/8の先物価格は36.55とVIX指数よりかなり低い価格でした。従って仮に期近のVIX先物を天井圏で売ってリスクをとりにいってもわずか10%ほどしか利益があげられなかった計算になります。

確かにVIXはいずれ落ち着くのは目に見えています。しかしリスクを取った割に利益がでるまでに意外に時間がかかりそうです(というか過去の事例が少なすぎてあまり参考にならず)。また、天井圏(底値圏)を見誤ると今回のコロナショックプラスの逆オイルショックのようになってとんでもない事態に陥るとも限りません(決して私の事じゃありません!決して・・・)。

 

また、通常はVIX指数よりVIX先物価格のほうが高く推移します。相場が落ち着いてきてVIX指数が下落したとしてもその価格よりはVIX先物価格が高くなるのでVIX先物の下落率がVIX指数より相対的に低くなります。

 

また、VIX先物の期近よりも期先が安いバックワーデーションの状態が2011年は長く続くためVXXの価格も8/10時点と年末終値価格はほぼ大差ありません。

売っていれば年利30%とも言われるVXXですが(つまり30%下落する)、2011年の下落率約2%程度2018年は+70%以上。2008年は120%近く上昇をすることもあります。

 

今回の相場がどうなるのかはさっぱり分かりませんが、リスクをとりにいかなければ儲けも少ないのは間違いありません。

 

 

記事の最後にも書かれていますが、
「本稿の内容は将来の投資成果を保証するものではありません。投資判断は自己責任でお願いします。」

 

VIX投資、ご利用は計画的に。




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