MAX PAIN理論
max pain 理論によればオプションの買い方の受取が一番少なくなるような価格に落ち着くらしい。
ざっくり言えばこういうことだ。
この理論、まずSQでの着地点がいくらになるかを想定してその場合にもっとも受け取りが低くなるところをオプションの建て玉残高がらはじき出していくわけだが、お気づきのように、当該権利行使価格に落ち着くと想定するとそのオプションは消滅するため結局その地点の価格に落ち着くことになってしまい何の意味もなくなる。
従ってこの場合、仮に28000円で着地するとした場合、当該権利行使価格のオプションは除外して計算しなければならない、はずだ。実際詳しい計算方法はよく分からない。
https://www.youtube.com/watch?v=3Y5W9SqOu8g&t=1252s
この動画での説明を見ても結局そうなってしまうので要するに想定価格よりもインザマネーのオプションで計算していかなければ意味がない。そうすると、コールがインザマネーの場合はプットはアウトなので消滅で計算する意味がない。
仮に28000円がSQ値だとすると28000円以上のコールは消滅してしまうが、プットの買いは利益となる場合がある。いずれにしても消滅はしない。
29000P 5175枚×1000円 517.5万
28750P 1709枚×750円 128.17万
28500P 5974枚×500円 298.7万
28250P 2633枚×250円 65.8万
1010.17
28000円以上のコールは消滅するので一番低いのは28250円ということになる
一方で28000円以下はプットが消滅してコールが生き延びる
26000C 5981枚×2000円 1196.2万
26250C 207枚×1750円 36.2万
26500C 4182枚×1500円 627.3万
26750C 730枚×1250円 91.2万
27000C 8266枚×1000円 826.6万
27250C 2023枚×750円 151.7万
27500C 8976枚×500円 448.8万
27750C 683枚×250円 17万
3395
27750円が一番少ない
では着地点を27500円にするとどうか。27500円以上のコールは消滅してしまう。
29000P 5175枚×1500円 776万
28750P 1709枚×1250円 213.6万
28500P 5974枚×1000円 597.4万
28250P 2633枚×750円 197.4万
28000P 14050枚×500円 702.5万
27750P 2066枚×250円 51.6万
2538.5
27750円が一番少ない
27500円以下のプットは消滅するがそれ以下のコールは生き延びる
26000C 5981枚×1500円 897万
26250C 207枚×1250円 25.8万
26500C 4182枚×1000円 418万
26750C 730枚×750円 54.7万
27000C 8266枚×500円 413.3万
27250C 2023枚×250円 50.5万
1859.3
26250円が一番少ない プットの一番少ないほうとくらべ26250Cのほうが合計金額が少ないので26250円に着地することになる。
語弊があるが、この理論だと建玉が少ない方に行きやすいことになるが、かなり疑問がある。
この理論の背景にあるのはマーケットメイカーなどの大口がオプションを売っている場合は必ず先物等でヘッジされており、またオプションの買い方にとってもっとも受け取りが少ないところに落ち着くというものがある。
コールの売り玉がインしていく場合は更に先物を買ってデルタヘッジしていくので上に行きやすいが、インせずに下落していく場合は逆にヘッジである先物買いを売り返済していくことになり、下げやすい。
28000円から相場が下がり始めるとC売りの先物を外していき、他方、27500Pにある大量の売り玉ヘッジのために先物をヘッジで売ることにより下げが加速していく。
とは言え、売り玉があるということは買い玉もある。コールの買いに対してヘッジで先物売り、プットの買いに対してヘッジで先物買い。相場が下がっていく場合はコール買いのヘッジの先物売りは買い戻すので上昇要因となり、プット買いのヘッジの先物買いは売り返済するので下げ要因となり結局拮抗することになる。
結局両者ともに大量の玉がありヘッジもあり拮抗した展開になるだろう。そして、そのレンジから外れた場合に次の壁となるのは玉が多くあるところなのか?
仮に27500円を下回るとプット側の次の大きな玉は27000円にあり、コールも27000円にある。
この場合、コールよりもプットのほうが建て玉が1.5倍ほど多い。
もし、27250で着地した場合27000Cの買い方は利益、売り方は損失。27000Pは売り方勝利で買い方消滅。
一般的によく言われていたのは建玉残が多いところに収束しやすいということ。もしくはその地点を超えると走りやすいという事。これもMAX PAIN理論と似たような事を言っていると思うが、MAX PAINではオプション買いの一番受け取りの少ない地点に引き寄せられるという点だが、当然SQ地点に一番近いところがもっとも受け取りは少ないのでこれは結果論ではないだろうか?
28000Cの建玉よりも27500Pの建玉残が多くて現物が28000円くらいの場合はむしろ27500円あたりに向かう。
この理論がどういう根拠によるものなのかは分からないが、ある意味FXなどでいうストップロス狩りのような意味合いで言っているに過ぎないように思われる。
MAX PAIN理論は言わば、売り買い同数であり、そしてヘッジも入っている事を考慮して、そうなると結局もっとも影響の少ないような場所に落ち着くのではないか?という事なのかもしれないが、実際のところよく分からない(笑)
恐らく、動画にあるような計算ではなく、あるSQ値を想定した場合のオプションの受取総額、要はインする建玉とインする額を乗じた総額を比較していきもっとも少ない額になるSQ値を算出するのではないか?
もっとも上記28000と27500のSQ値で計算してもほとんど変わりがない。
つづく