インフレとは貨幣の価値が相対的に下落することを言うのではないですか?

      2022/10/29

インフレの国の通貨が高くなる。
本来インフレとは貨幣価値がモノの価値に比べて低くなることを言うらしいのだが変な話である。
もっとも為替はある通貨とある通貨の交換レートなので、一方だけの通貨だけをみても始まらないが。
【為替】40年前の「米インフレ下の円安」に学ぶ
コラム:インフレ時代の防衛策、新興国通貨が意外な効果

円の実力に対する誤解
日本円の実質実効為替レート
米ドル高・円安、「145円」と「150円」の違い
円安パズルの解明 ~為替が購買力平価よりも円安である理由~

1ドルが100円だったとしよう。それから数年後アメリカはインフレで物価が10%高くなり、日本は変わらず。
この時金利などが同じの場合に1ドル100円のままだと、日本人がアメリカに行って買い物をする場合実質的には円高で得をしていることになる?本来であれば1ドル110円でなければならないのか?

https://media.monex.co.jp/articles/-/20264

こちらの記事では購買力の低下はインフレ格差だとされている。https://www.dlri.co.jp/report/macro/186341.html

確かにデフレによって経済成長率が停滞したと言われるが、成長しなかったからデフレだったのではないかとも言える。

恐るべき実質賃金の低下
しかしこれを見ると驚く。賃金が上がっていないのではなく、実質的に低下しているという。しかも右肩下がりである。
https://www.dlri.co.jp/report/macro/193502.html

通常であれば賃金が低下すれば輸出競争力は上昇するだろう。それに加えて円安ならば猶更である。
しかし、輸出は増加しなかった。

円安になり輸出が増加すれば円高にふれることになる。最近の急激な円安が続けば輸出が増加して円高基調になるのだろうか。
なぜ輸出が増加しなかったかと言えばそもそも輸出競争力が以前にくらべ低下したからだとされる。
また、賃金が低下したとしても、それでも新興国に比べれば高い。

この記事の目的はインフレ国の通貨は減価するのでは?という問題意識だったわけで、そうすると欧米各国の通貨が日本円より高くなるのはおかしいのではないかという帰結だったわけだがどうやら違うようである。
勿論インフレだけが為替に影響を与えるわけではないが、デフレになることは=購買力の低下をもたらすということである。
購買力が低下すると結局当該国の通貨は相対的に安くなる傾向にあるようだ。そうすると、一般的に言われているインフレとは物の価値が高くなり、貨幣価値が安くなることを言う、という説明は適切ではないということになる。
確かに、その国のなかでは当該国の通貨とモノという関係性においてはそれが言えるかもしれないが、その国の経済がどんどん成長している場合に対しての為替では趣が異なるということである。
勿論、ジンバブエドルのような場合は当該国の為替レートどんどん下がっていくだろう。これはインフレだからという理由だけではない。他方、ジンバブエがいくら金利を上げようが焼け石に水。

いずれにしても現在、日米の金利差が拡大したから円安ドル高になっているとするのはあまり適切ではなく、一つのきっかけ程度に過ぎないだろう。
https://www.smtb.jp/personal/useful/market-column/sera-column_22

ということで今後のドル円の動向はさっぱり分からない(笑)

※追記
まるわかり“実質実効為替レート”-“50年ぶりの円安”という根深い問題

https://www.nli-research.co.jp/files/topics/42542_ext_18_0.pdf?site=nli
、2 国間の為替決定理論の一つに購買力平価、すなわち「(他国に対して)高インフレである国の通貨は物価
上昇率格差の分だけ下落し、逆に低インフレである国の通貨は上昇する」という考え方がある。この理論が常に完全に
成り立つとすれば、物価上昇率格差は名目為替レートに反映されるため、実質為替レートは横ばいになる。ただし、購
買力平価は長期において傾向が確認できるものであり、また実際には他の為替変動要因も為替に影響するため、常に成
り立っているわけではない。結果、実質為替レートは大きく変動している。

高インフレの国の通貨は物価上昇率格差分だけ下落する、という考え方があるということを今更ながら知る(笑)




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