オプション価格は確率が上がれば上がるものではないらしい

   

ファイナンス論を勉強していて新たな発見があった。
いや、今まで勘違いしていたと言っていい。オプションの価格は確率が高くなればなるほど高く計算されるものだと思っていたがどうやら違うらしい。
ブラックショールズ計算式では原資産が正規分布をしているという前提のもとで計算されているが、この時2σより1σのほうが発生率は高い。
必然的にオプション価格の計算でも高めに算出されるから確率が高ければ高くなるものだと思っていた。
そもそも論だが、例えばボラティリティが1%だろうが2%だろうが、1σの発生確率は同じである。にもかかわらず価格が違うのはボラ(変動率)が違うからである。
また、ボラが1%だと10日間で3%動く確率は約3割程度になる。9%動く確率はおよそ1%くらいだろうか。
そうすると、ほとんどの人は9%も動く確率はほとんどないと判断するだろう。仮に実際9%動いたとしたら、ほとんど発生しないような稀な事例が起きた、となる。
だからと言って、ボラが高くなっているわけではない(実際は多少高くなっているかもだが)。同じボラティリティの範疇である。このような稀な事例が多くなるとボラが高くなるかもしれないというだけである。しかし、奇妙な事にこのような稀な事例が毎日起きていればボラ自体は収束していくだろう。
いずれにしろ、オプション価格というものは当該価格になるであろう確率が高いから高く算出されるものではないらしい(高く算出する計算式もあるのかもしれないが)。
よくボラが低いから大丈夫だとか、ボラが高いからリスクがあるなどという言い方をするが、稀にしか起こらないようなものも逆に言えばボラがどうであれ、起こる確率は変わらない。そうすると、ボラが低いから安全だとは言えないことになる。ただ、変動幅がボラが低い方が狭いのでボラが高いより低い方がリスクを被る量が少なくなるといことか。
この点デルタはインする確率と言われるが、要するに正規分布で言うところの1σが何パーセントとかをデルタで表しているようである。
そうするとインする確率というより、これまでの発生確率(正規分布での)であって、これからの確率では勿論ない。更に言えばこの確率は固定されている。
確率が固定されて変動幅などで価格が算出される。変動幅=ボラが高くなったから確率が上がるわけではない(当該価格にインするかどうかで言えばそのオプションのインする確率は上昇する事になる※例えば2σだったものが1σになるとか)。




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