派遣切りにあって自殺するのは自業自得か

   

テレビドラマの相棒にボーダーラインという回がある。
手に防御創のある男の死体が発見される。
彼は殺されたのか。
調べるうちにその男はネットカフェで寝泊まりし、派遣で働きつつ転職活動をしていたことが分かる。
男は正社員として働けずに婚約者とも別れることになる。
「あんたなんか価値がない」別れ際の婚約者の言葉だ。
名義貸しで日銭を稼いでいたが、名義も貸せなくなり
「お前の名前にもう価値はない」と言われる。
遂には試食で食いつなぐ毎日。顔を覚えられないように毎日毎日場所を変える。
「気に入ったら買ってくださいね」と販売員は面白半分に嫌味を言った。
家族にも見放され、資格を得ても経験がないと採用してもらえない。

絶望した男は自殺を選んだ。
現代のネット民ならこう言うに違いない。自業自得だと。
収入が低いのがダメではなく、ある程度の年齢になるまでにそういう人生を送ってきたことがダメなのだと言う正論。

65歳以上の人間は生物学的に価値がない。世の中の役に立たない人間は生きる価値がない。
差別やいじめは絶対許されないと言いながら、それは結局自分たちにとって価値のある人間に限った話なのだ。
それ以外の人間は人間ですらないから、いくら死のうがわめこうが知ったこっちゃない。
こういう事なのだ。




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