MMTについての備忘録

   

低学歴のおっさんが現代貨幣理論を勉強する個人的備忘録です。

https://amzn.to/3y7qWCp(2)銀行が政府発行の新規国債を購入すると預金通貨が増加する。
銀行が新規国債を政府から購入する時、日銀当座預金が政府の日銀当座預金である政府預金に流れる。政府が政府預金に入った国債売却費を政府事業に支出すると事業者の預金が増加し、預金総額が増加する。それと同時に、事業者の預金口座のある銀行の日銀当座預金に政府預金から同額が振り替えられる。
 したがって、全銀行の日銀当座預金の総額は、銀行が政府から国債を購入すると購入時には一時、購入額だけ減少するが、政府支出の完了する年度末には元の額に戻る。

 このことは、銀行が政府発行の国債を購入しても日銀当座預金は減少しないので、銀行が国債を購入する資金不足になることはない。よって、国債が暴落したり金利が高騰することはない。また、日銀当座預金と銀行の貸付による預金の増加は、分離されている。したがって、銀行の国債購入が銀行の民間への貸付を阻害することはない(クラウディングアウトは起こらない)。

確かに資金不足からの国債の価格下落は起こらないかもしれないが、モノの価格と言うのは貨幣=通貨の量だけで決まるものではないのではないか?
特に債権のような信用によって成り立っているモノはその信用がなくなれば価格は下落するだろう。
もっともMMTの理論からは政府は貨幣を無尽蔵に創出できるため仮に価格が下落しそうになってもいくらでも買い支えることが可能となるし、それを納税者に負担させることにもならないから問題はないということになるが。
そもそも国が破綻しないというならわざわざ国債を買い支える必要もない。しかし、下落した国債を持っている金融機関や企業の信用は棄損するだろう。
いや、国債を買うという金融機関も現れなくなるかもしれない。もっともMMT理論によれば国債価格が下落しても政府が買い支えるからこれほど安全な投資はないということになり、やはり国債価格は暴落しないということになりそうだ。
MMT理論はまるで完全無欠の理論のように見えるが、詰まる所貨幣が無尽蔵に創出できるから問題なしということか。
一国の経済でみた場合それでいいかもしれないが、日本のように資源のない国は輸入という問題がある。貨幣を無尽蔵に創出している国の通貨はどうなってしまうのか?
これもMMT理論によれば破綻しない国家の通貨は暴落しないということになりそうだが、貨幣を乱発している国の通貨を受け取る国はなさそうだが。
歴史的にはデフォルトした国もあるわけで、果たしてこのMMT理論は万国に通用する理論なのだろうか。




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