以前北朝鮮の違法操業船をなぜ拿捕しないのかという記事を書きましたが、尖閣諸島での中国の公船についてもちょっと調べてみました。
個人的備忘録です。
法的にどうなの? 尖閣周辺に中国公船が侵入&日本漁船を追跡 海保が可能な対応は…

「領海に入ってきてそのまま通り過ぎるだけ」であれば国際法上、何の問題もありません

「通航」は、継続的かつ迅速に行わなければならず、他国の領海内で停船したり錨を降ろしたりすれば、それがやむを得ない場合を除き通航とは見なされません

UNCLOSの25条には「沿岸国は、無害でない通航を防止するため、自国の領海内において必要な措置をとることができる」

なぜ日本は尖閣領海に侵入する中国公船を取り締れないのか?

中国側には尖閣諸島周辺で操業するうえで一定の根拠があるのです

1997年11月に署名された日中漁業協定(2000年6月発効)は「EEZ(排他的経済水域)漁業法適用特例対象海域では、相手国の漁船に対して自国の漁業関係法令は適用されず、」として、北緯27度以南の日本の排他的経済水域について決着を棚上げしているからです

この海域では日中両国の漁船は自国の法律に従って行動することができますし、政府の船も自国の漁船を取り締まる名目で行動することができるのです。ただし、主権に関わるということもあって、尖閣諸島と領海は適用から除外されており、それを取り囲むように「棚上げ海域」が広がっているのです。中国の公船が日本漁船を追い回したのは、尖閣諸島寄りの「棚上げ」から外れた海域で、中国側は自国の領海だと主張していたことになります。

国連海洋法条約は、「国が所有または運航する船舶で政府の非商業的役務にのみ使用されるもの」に軍艦なみの治外法権を与えています。この種の「公船」が領海内の無害通航に関する規則に違反しても、沿岸国は退去を要求し、損害があったとき船の所属国に賠償を求めることしかできません。

日本が領海警備の根拠法としている「領海等における外国船舶の航行に関する法律」(2008年)も国連海洋法条約に準拠し、「公船」を適用除外としています。そんな日本と比べると、中国は国連海洋法条約を批准したうえに、「領海および接続水域法」(1992年、以下、領海法)を制定し、国の安全と海洋権益を守る姿勢を明確にしています。許可なく中国領海を侵犯した外国船に対して強制措置を講じる場合の根拠法でもあります。

最初の記事を読むと、なんと国際法的に中国のやっている事は合法的な部分もあるらしいことが分かる。
しかし、2番目の記事を読むとちょっとニュアンスが異なる。
北朝鮮の違法操業でもそうだが、どうやらEEZが曖昧らしい・・・(笑)。お得意の面倒な事は棚上げ、先送り政治。
とは言え、自国の法的整備を行うと取り締まれるようではある。だから中国は海警法とか国内法を整備していたということらしい。
しかし、国内法を整備すればなんとでもなるような話でもないはずだ。
中国海警法への日本の対応は国際法違反の恐れ~九段線より独善的
上記の記事では国際法や中国および日本の法律などを細かく検証して日本の対応を批判するというお決まりのパターンだが、最後は法律論では、尖閣を中国の奪還作戦から守れないと締めくくられていて今までの話はなんだったのかと(笑)
この記事で気になるのはいかにも法律論で論理的なように見えるのだが、中国の行動に対して日本が国内法で対処するのは国際法に違反しているという点である。
そもそも中国の海警法も国内法である。中国が国内法に基づいて行動し、それに対して日本が国内法で対処するのはおかしいという理屈がイマイチ腑に落ちない。
結論から言えば、どんなに国内法を整備したところでその運用が腰砕けなら意味が半減するというものだ。
自衛隊の防衛出動のハードルを下げるべき、というのはもっともだが、いかに下げたところで出動しないだろうと諸外国から高をくくられれば意味がないのと同じである。
そもそも中国の海警法自体に問題が多い。国内法を整備すればなんでもかんでも可能になるならどこの国でもやるだろう。しかしそれをやらないのは国際的に批判を浴びかねないからである。
中国の海警法に対抗し「法の支配」を実現するには

国際法上の問題点
「中国が管轄するその他の海域」に議論があり無定義としたのであろうが、適用範囲が不明確な法律などお目にかかったことがない。そこに武器の使用を含む、細かな規定を作ってしまったのである
外国軍艦等に対する強制措置をとることができる旨の規定(第21条)も物議をかもしている。
管轄権の強い領海においてさえも外国軍艦に対し行使できるのは退去要請までである
管轄権を主張する国が、公海以外の海域において外国軍艦や公船に対し、どこまで行動できるのか、どのような管轄権を行使できるのか、中国海警法の規定は、われわれの国際法解釈から逸脱している。

確かに中国の国際法秩序への挑戦的行為に対して日本が国内法で国際法を逸脱してしまうような行為を許容してしまうとそれは中国と同じような事をしてしまうことになり、中国の行為を合法的と認めてしまう事にもなりかねない。

さて、尖閣諸島において日本が中国公船に対して強い態度ではのぞめない、いやのぞまないと言ったほうがいいのかもしれないがその理由が分かった。
極論すれば毎日毎日中国の船が尖閣諸島付近を無害通航するぶんにはさせておけ、ということなのだろう。
問題は記事にもあるように中国の船が体当たりをしてきたり、あるいは島に上陸してきた場合どのように対処するかだろう。まず国としてどうするのか明確なビジョンがなければ法律も作りたくても作れない。
なるほど、だから法整備が遅れているんだな(笑)

弱腰ジャパン万歳