投資推奨記事を真面目に検証してみる

   

VIXのプットを検索していたらこんな記事が目にとまりました。
VIX売りはもう遅い?いやいや、これからがVIX売りの本領発揮だ!
VIX関連のキーワードで検索すると上位にヒットする記事ですが、eワラントの公式サイト関連によるSEO効果の賜物でしょうね。
さて、記事の要点をまとめると

VIXが80をつけたときにVIX先物を売って30になった今50儲けているかと言えばそうではない
なぜなら先物には期限があるからロールオーバーをしなければならない
その際バックワーデーションだと損失を被るからである
とは言え、各限月の先物の価格を見ると今後はコンタンゴに戻る
従ってロールオーバーの事を考えなくていいように少し先のVIX先物を売る
具体的には8月限を売ればおおよそ10ポイント、率にして30%程度の利益が得られるだろう

 

ということで実際に検証してみましょう。
この記事が書かれたのは5/12日。当日のVIX先物8月限の終値は31.94。ちなみにVIX先物価格はCBOEのサイトから無料でダウンロードできます。
満期8/19日終値は21.8、清算値で21.71なのでものの見事に当たっていますね。
正直絶対外れると思っていました(笑)
とは言え、この売買にはちょっとした落とし穴があります。まず、3か月も先のVIX先物を扱っている日本の証券会社はないのでインタラクティブブローカーズあたりを使う事になるでしょう。先物は基本1000単位なので3万ドル以上の売り建値となるのでそれなりの資金が必要です。
また、一番問題なのは価格が上昇した時です。
実は6/12日に価格が38.15まで上昇しています。さて、このような時、VIXを単騎でカラ売りしているとしたらどのような行動をとるでしょうか。6/11日のS&P500は6%ほど下落していました。
記事の最後には

VIX先物のショートポジションは、3月→5月においては「価格自体の大きな下落による利益+バックワーデーション形状からの日々の損失」でしたが、これからの数カ月は「価格自体の小幅下落による利益+コンタンゴ形状からの日々の利益」というシナリオになると予想しています

さて、現在のVIX先物の期間構造をみてみましょう。

予想とは逆にバックワーデーションになっていました。
ここ数日アメリカ市場が下落している影響と捉えることもでき、基本はコンタンゴであると言う人もいるかもしれませんが、実は最近だけではなく以前から期近と期先はコンタンゴになっていてもその先の限月からはバックワーデーションになっておりかなりいびつな期間構造でした。

 
ちなみに8月の満期日8/19日の11月限の終値は28.68でした。これが10/26日の終値31.4に上昇しています。勿論11月限の満期日までにはまだ日数がありますのでその頃にはもっと下がっているかもしれませんが、これまで終値で28.68を下回ったのは実は数日しかありません。

予想が当たるとか外れるとかよりもその状況にいかに対応するかのほうがよっぽど重要なのかもしれませんね。
なんつって




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