ドラえもんはなぜ欧米で人気がないのか

      2019/12/30

ドラえもん50周年の特番をNHKでやっていました。
そういえばドラえもんって海外での人気をあまり聞かないなと思いちょっと調べるとアジア圏では人気があるが欧米ではあまり人気がないらしいことが分かります(当然国による差はありますが)。

そこでやはりなぜ欧米で人気がないのか文化的考察がなされています。

結論から言うと

まず、アメリカなどで本格的に放送され始めたのは最近である。
従って人気がないというよりそもそもあまりメジャーではなかったと言える。
現実にイタリアやスペインでは既に放送されておりかなりの人気を誇るらしい。

よってなぜ人気がないのか?ではなく、なぜアメリカなどの欧米主要国で放送されてこなかったのかを考察すべき、ということになる。

そこで、結論から言うと欧米では子供向けの番組にかなり厳しい規制があることがあげられる。ここで、ドラえもんなんてまったく暴力的でもないのになぜ?ということになるが、どうやら欧米の子供向け番組に対する規制は単なる暴力描写や性的表現だけではなくその国の価値観や道徳的なもの倫理的なものまで含んだ規制(自主的なもの含む)だという点に注意が必要である。

特にアメリカは多様な価値観の渦巻く社会であり、ともすると社会共通の価値観などつくりにくい。
従って子供の頃は善悪はっきりとした価値観や道徳観などを植え付ける必要があり、そこを基準として成長するにつれなぜそういうことがいけないのか、いいのかなど疑問を持ち、自分で考え、そして多様な価値観を享受するように社会を作っていくということらしい。

従ってドラえもんの世界観は番組を放送する権利を持つ大人からは受け入れられがたいということになる。
のび太は宿題もしない、優柔不断な怠惰な性格。親にも結構反抗する。
しかし、いっつも都合よくドラえもんに助けてもらいいい思いをしてしまう。
こんなことが許されるならただでさえ自由の国アメリカは収拾がつかなくなると大人たちは恐怖を感じるのは想像に難くない。
とは言え、マンガをきちんと読むとそこにはかなりブラックなオチがあるのだが、実際そのブラックなオチの教訓めいたものに気付くのは大人になってからであり、子供の頃は自分にとって都合のいい面ばかりを受け取りがちである。

確かに私も子供の頃のび太はいいなぁ~ドラえもんがいて、と思ったものである(笑)要するに宿題しなくても親の言う事きかなくてもドラえもんがいてくれたら楽して暮らせるというわけである。

子供を教育する大人からしてみれば見せたくないと思うのも理解できる。
実際、これは欧米に限った話ではなくパキスタンだかどっかの国でも放送禁止運動みたいなのが起こったとか。

そう考えると、日本では暴力的だとか性的表現だとか実に表面的な点だけで判断しているということに気付く。
欧米人の考え方(特にアメリカ)は国造りにおいても実に戦略的な感じを受けるのは私だけではないだろう。

詰まるところ、国家戦略において子供の教育という観点からはドラえもんは有害であるという結論に至ったのである(笑)
ドラえもんがいたら世の中便利になっていいなぁ~と思う反面、ドラえもんがいたら逆に世の中成り立っていかないんじゃないかと子供心にも思うものである。

とは言え、あくまでマンガである。マンガの世界の話である。子供が読むマンガにそこまでの価値観や倫理観や国家戦略上の価値観を求めるなど逆に怖い気がしないでもない。しかし、よくよく考えてみると三つ子の魂百までではないが子供の頃に大方の人格形成はなされていると言っても過言ではない。
そういう点ではマンガなどが与える影響は計り知れない。欧米のサッカー選手がキャプテン翼を見てサッカー選手になったとかいう時代である。
つまりマンガと言えど決してバカにできないというわけだ。

まさに知らず知らずのうちに洗脳されているに等しいが、そこには未来を見据えた確固とした国家運営の戦略が根幹にあると言えるだろう。
それこそなんとなくこれダメじゃない?という感じで感覚的にしかも十把ひとからげで規制してしまっている日本。
いまだに性器が直接見えると猥褻で、見えてなければやりたい放題という形式的表面的規制。
もしアメリカという国が実際にそのような戦略をもってマスメディアをコントロールしているとしたら日本は未来永劫アメリカの従属国家でい続けるだろう。

アメリカ万歳




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