保釈中に逃亡しても罪に問われないって知ってましたか?

      2020/01/21

逃亡者という映画では逃亡した犯人を捜すのは連邦保安官である。
何故連邦保安官なのか?調べてみると連邦保安官は囚人の護送なども職務にしているということを初めて知った。いやむしろ専門職と言っていいだろう。

さて、ゴーン氏が保釈されるのされないので物議を醸したのが記憶に新しいが、ゴーン氏が逃亡しましたね(笑)
以前、逃走した保釈中の容疑者が身柄を確保されたときの逮捕容疑は公務執行妨害です(笑)ん?なんか腑に落ちない日本人が多数いると思われます。
なんで逃走罪とかじゃないんだと。
公務執行妨害は暴行脅迫が要件となっているのでゴーン氏には当てはまらないということになりますね。
また、ゴーン氏の妻や逃亡を支援したと思われる人物たちも直接逃亡を援助した容疑では何ら手配も捜査の対象にもなっていないようですね。
今更ですが東京地検、ゴーン被告妻に逮捕状 地裁の証人尋問で偽証疑い苦肉の策でしょうか。こんな事するから海外から批判がでるのでしょう。

さて、今回ゴーン氏を捕まえる際の直接の容疑はなんでしょうか?入管法違反あたりでしょうか?この点についてどこのメディアも触れてないのがなんだか日本のメディアっぽいですが(どうやって逃亡したかもほとんど海外メディアの情報を垂れ流してるだけですしね)。

何と、保釈中に逃亡してもそれを罰する法律がないそうである。つまり保釈中に逃げても何らかの新たな罪が付加されて罪が重くなると言う事はありません(心証が悪くなって起訴中の罪の量刑が重くなることはあるでしょうが)。
https://www.t-nakamura-law.com/column/

保釈保証金をあきらめてしまえばいわば逃げ放題なのである(起訴中なので時効は停止)。もっとも保釈は取り消されるので身柄は収監できるわけですが、逮捕状を示して逮捕するわけではなく「勾留状の謄本及び保釈若しくは勾留の執行停止を取り消す決定の謄本又は期間を指定した勾留の執行停止の決定の謄本を被告人に示して」身柄を拘束するようだ。逮捕する際は実力行使ができるのは当然だがこの勾留状の執行の際にどれくらいの実力が行使できるのだろうか?いずれにしろこの辺り、若干法的な不備があると感じるのは私だけではないだろう。保釈中に逃亡したらどうなる?
逃げるから保釈自体のハードルをあげようと検察はやっきになっているようだが、そもそも逃げた場合の担保、或いは逃げないような物理的なものや制度がなにもなく保証金の没収という間接的なものしかないのはどうなんだろうか。

保釈中の者を収監する作業は検察がやっているようであるが、では検察庁の職員はそれ相当の専門の訓練を受けているのであろうか?上記リンク先によれば専門の部署もあるようだが、アメリカみたいに囚人の護送や逃亡犯の捜査などに特化した専門の機関とまでは言えないようだ(実際車に荷物を取りに行くという事であっさり逃げられているが専門職なら本人に取に行かせたりしないだろう)。

このような状況であれば、確かに検察の言うように安易に保釈を認めるなと言いたくなるのも無理はない。

逃げない事が前提となって制度が構築され、逃げた事自体の罰則もなく逃げ得な可能性があるから保釈自体のハードルを上げておく。とは言え、権利保釈の場合は逃亡のおそれのあるなしは保釈要件にはないようだ。(とはいえ、裁判のときにちゃんと出廷しさえすればいいとも言えるのでそれまでどこ行こうが自由(海外はやりすぎか(笑)))

つまり保釈中に逃げた場合どう対応するのか?ではなく保釈中に逃げる事自体がほぼ想定されていないと言っていいだろう。従って保釈中に逃げた場合の対策を議論すること自体タブーだったかもしれない。
例えば、原発を建設する際も、安全でなければ建設できないからもしも事故があった場合の事を想定して対策をたてようとすると、事故が起きる=安全ではない→安全でないものはつくれない。ということで事故を想定した対策すら議論しないという官僚的思考なのかもしれない。
もしも、想定外の事が起こった場合それに対処できるように準備しておくのではなく、起きないように制度を構築する日本。本当に起きないなら苦労はしないがそんな完全な制度があるはずがない。
法を犯すものは必ず出るということを前提として法が構築される欧米と、法を犯すものが出ないように入り口を狭く法を構築していく日本の違いとでも言ったらいいだろうか。
これは犯罪などに限らず様々な規制にもその考え方がみてとれる。
従って、日本は規制がやたら多いし、一見すると無駄なものも多い。無駄であるように見えてもそこには官僚的理屈があってそれは官僚的論理であって普通人の理屈ではまったく論破できない(論理的に破綻しているのでそもそも議論にならないからだが)。
しかし、必ずその完璧だと思っていた(もしかすると誰も思っていないのかもしれないが)法制度からこぼれ落ちるものがある。そしてそのような「想定外」の事案が起こった場合なぜそこからこぼれ落ちたのか根本的な原因を分析するのではなく、こぼれ落ちないように制度を強化する(規制を強化)ほうをとるのが日本的発想であろう。保釈の件で言えば、そもそも保釈するな、ということになる。それこそなんのための保釈なのか(笑)

さて、ゴーン氏ってなんで逮捕起訴されてましたっけ?(笑)
米紙社説「不思議の国のゴーン」=「ますます奇妙」と論評

ウィキペディアによりますと

実際の報酬額よりも少なく見せかけた額を有価証券報告書に記載していたとして、東京地検特捜部により金融商品取引法違反容疑で代表取締役グレッグ・ケリーとともに逮捕された

これって脱税になるのではないかと普通は思いますが脱税では立件されてませんね。海外居住も長いようですし、見方を変えれば実際の報酬をきちんと納税していたから(ま、そんなわけないですね(笑))こそ金商法で逮捕できたとも言えますが。

報酬を過少に記載したとして、それで会社としての経理とか納税とかどうなってたんでしょうね。どこかで辻褄あわせる必要があるのでそうなるとゴーン氏だけの問題ではなく会社ぐるみになって、でも他の役員の人たちは司法取引の日産幹部2人を不起訴 ゴーン被告捜査に協力らしいです。
このあたり、やはり陰謀論などがでてくるのも頷けると言うもの。

罪を犯してまず最初に裏切った人間が無罪放免と言う司法取引制度(多分そいつが一番悪党(笑))万歳。




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