在日米軍の犯罪発生率がなぜ群を抜いて高いのか悩む

   

また、在日米軍の兵士が沖縄で女性を暴行したというニュースが流れていました→米兵性的暴行に抗議集会

米兵の犯罪率は決して高くなく、ことさらメディアが大げさに報じているから目立つだけだとか、同じ犯罪を犯しても日本人だったら報道すらしない場合もあるのだから目立っているだけだとか、一見すると至極まっとうな正論っぽいことを目にしましたので実際のところどうなのだろうか?

そこで少し調べてみました

こんな記事発見→米兵の犯罪率に関するその後の情報

一部抜粋してみます

『 (オハイオ州のオンライン新聞)デイトン・デイリーニュースが伝えた有名な調査『軍人による性的暴行事件の軍法会議付託件数に見る世界各地域別・発生率比較』によれば、米兵1000人あたりで、沖縄では4.12件であり、それに比べて、キャンプ・ペンデルトンでは2.00件、キャンプ・ルジューンでは1.75件、サンディエゴでは1.07件、バージニア州ノーフォークでは0.80件である。』

『「デイトン・デイリー・ニュース」が、95年10月1日から8日まで連載を行ったが、それは米軍内部のコンピュータに入力された10万件以上の犯罪記録を分析し、その結果をまとめたものであった(88年から94年までの7年間の累計)。
性犯罪を理由に軍法会議にかけられた被告の数が、国内外の米軍基地別にあかるみになったのだ。それによると、第一位は在日米海軍・海兵隊で、被告数は169人。第二位はサンディエゴ基地(102人)、三位はノーフォーク基地(90人)と、アメリカ国内の基地になる。
ただ、両基地とも、在日米海軍・海兵隊の2倍、3倍の兵員がおり、犯罪発生率では日本が群を抜いている。
欧州の基地はほとんど出てこない。その中ではスペイン(24人)、イタリア(16人)が目立つ程度。日本の突出ぶりは際立っている。』

7年間で169人ということは1年間で24人。在日米軍の数はウィキによれば軍属含め約5万人。1万人あたり4.8人。

平成17年の強姦認知件2076件、検挙人員1074人、強制わいせつ認知件数8751件、検挙人員2286人。http://www.jcps.or.jp/publication/1804.html

19歳から45歳の男性人口を2500万人で計算すると1万人あたり認知件数4.3件程度、検挙人員1.3人程度。

米軍の年齢構成が分かりませんでしたが比較的若い男性が占めていると考えられますので日本側も男性の人口を推計して計算しました。
米軍は軍法会議にかけられた被告の数ですので日本側も検挙人員を対象に比較するとやはり在日米軍の方が高くなります。性的暴行事件ですので公然猥褻などは対象外。対象年などがずれていますので参考に。数の多い認知件数で比較しても同じくらいになります。

性犯罪に限って言えば在日米軍の犯罪発生率が群を抜いて高いという結果が浮き彫りになって(あくまで米軍基地同士での比較において)、メディアが大げさに報道しているだけだからという一見正論が覆されたわけですが、問題はではなぜ海外の米軍基地の中でも日本が突出して高いのか?という点ですよね。

ここでまず頭に浮かぶのが不平等条約とも言うべき日米地位協定の問題です。しかし、米軍は他の国とも似たような協定を結んでいると言う事でこの一事だけをもってして犯罪率が高いという理由にはなりそうもありません。勿論本国で犯罪を犯すよりはそのハードルはかなり低くなることは間違いないでしょうが。※追記 NATO諸国とはかなり違ったもののようですね → 地位協定と在日米軍の犯罪発生率
実は、海外では表ざたになっていないだけで本当はもっと多いとか・・・言いだすとキリがないわけですが。
いずれにしても、大げさに反応しているだけではないという事ですよね。

リンク先の記事にはもっと詳細が記されていますのでご興味のある方はご参照下さい。→http://d.hatena.ne.jp/lovelovedog/20080301/beihei




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