刑務所という社会に迎合する~ブラッドスローン
アマゾンプライムで無料で見る事ができるようになったので見てみました。
また事前知識なしです。
エリートだった人間が事故を起こして刑務所に収監され、刑務所で生きていくための処世術によってやがて頭角を現していくというと結構よくある話のようでプロットだけ聞くとあまり食指が沸かないかもしれません。
が、主人公の葛藤がよく描かれており存外に面白い作品となっております。
刑務所で生きていくためにある派閥に入れば自分の立場は守れるものの、当然その派閥での役目を果たさなければなりません。
もう、この時点で棺桶に片足を突っ込んでいるのですが人はそれに気づきません。嫌な役回りを押し付けられることもありますが、それなりの見返りもあります。
自分の身を守るためとは言え、刑務所内で様々な悪事に手を染めた事により刑期が伸びてしまいます。もう、覚悟を決めなければならない。
主人公は家族と縁を切ることを決意します。
とりあえず刑期をまっとうして出所したら新しい人生を始めようと思ったに違いありません。
が、世の中そんなに甘くない。
仮出所にも関わらず銃の密売を仕切れと命令されてしまいます。
さもなければ家族がどうなるかわからんぞと。俺たちとは一生縁が切れないんだぞと。
ここでようやく主人公は自分の浅はかさに気付いたでしょう。家族の為とか自分かわいさとか、理由はどうあれ悪の世界に迎合してしまうとはどういうことなのか。 確かにその社会にいれば身の安全は保証され、それなりにおいしい思いをできたりもします。 しかしながら、当然その見返りとして自分自身もその社会での役割を全うしなければなりません。 どちらに転んでも安穏とした生活はできないとということに覚悟を決め、少なくとも悪事に手を染めない道を選択すべきだったでしょう。 なんとなれば、もし命を落とすことになっても家族を危険にさらしたり、家族と別れる事もなかったに違いありません。