メンタリストは本物か?マインドコントロールと洗脳~ザ・プッシュ NETFLIX

   


NETFLIXでダレンブラウンのザ・プッシュを見ました。
ダレンブラウンは有名なメンタリスト。日本でいうところのDaiGoさんみたいな人です。
このプッシュという作品では社会の圧力によって人は殺人を犯すのか?という実験が描かれています。この作品では社会的コンプライアンスという言葉を使っています。

冒頭部分で電話だけで何も知らないカフェの店員に、赤ちゃんを誘拐した客がいると知らせ、赤ちゃんを保護するため店の外に連れ出させる、ということをやってみせます。
実際は俳優が警官を名乗っているのですが、赤ちゃんを保護するという善行なので比較的簡単に協力してしまうのかもしれません。
何やら昨今社会問題化している振り込め詐欺にも似ていますが、実際にアメリカでは電話だけでわいせつ行為をさせたという話もあります。
それを映画化したのがこれ↓

ストリップサーチいたずら電話詐欺とは

アメリカ合衆国で2004年に犯人が逮捕されるまで約10年間続いた、一連の事件の総称である(サーチ=身体検査)。犯人はレストランや食料雑貨店に電話をかけて警察官を自称し、「警察への協力行為」の名のもとに店長らを誘導、女性店員を裸にして身体検査をしたり、その他の異常な行為をするよう仕向けた。狙われた店の多くは、小さな田舎町のファストフードレストランだった。

一連の犯行は70件を数え、行われた場所も30州もの広範囲にわたっていた。最後に起こされた2004年のケンタッキー州マウントワシントンにおける犯行から、当時37歳で、アメリカの刑務所・収容所運営会社であるコレクションズ・コーポレイション・オブ・アメリカの従業員であったデビッド・スチュワートが逮捕された

客観的にこんな話をきくとおかしい、そんなに簡単にだまされるはずがないと思うでしょう。でも人は常に合理的な判断をしているとは限りません。

ダレンブラウンは手が込んでいて、その被験者を選ぶ過程から描きます。できるだけ従順な被験者を選ぶためにその従順さをみようとまず応募者にアンケートを書かせます。その中の3人は俳優で音が鳴るたびに立ったり座ったりを繰り返しています。
何も指示されていないのに同じように立ったり座ったりを繰り返す応募者もいます。こうやって従順な子羊を選別しているわけです。
新興宗教などでも出来るだけ洗脳しやすいような信者を選別するために、質問を多くするようなタイプは排除されるという話をききます。
いわばカモを取捨選択しているのでしょう。カモになりやすい人、なりにくい人がいて、できるだけ騙しやすい人を選ぶのは道理。
週刊誌や漫画雑誌などの広告でよく見かける幸運のキーホルダーの類。あんなものにお金をだすような人がいると思わないのが普通ですが、あの手の広告はなくなりませんね。広告費用もバカにならないのに続いている、というのはそれなりに売れているという事でしょうか。
値段も数百円ではなく数千円、なかにはもっとするものもあります。
安ければ売れるのか?というとそういうわけではなく、安くすればその代わり数をさばかないといけない。どっちにしろ騙される人間自体は数が少ない→騙されるような人間なら高くても売れる、という理屈のようです。もしかすると騙された人の名簿を利用して更にもっと大きな騙しに利用しているのかもしれません。いわば大きく騙すためのカモの選別に利用している。こんな商売する奴はどんなバカなんだと子供の頃思っていましたが、よくよく考えると人間心理を分かっているのかもしれませんね(笑)

さて、ひよこの選別ならぬカモの選別では1人の従順な子羊クリスが選別されました。29歳の独身男性です。一見すると人を殺すような男には見えません(ほとんどの人がそうですね笑)

さて、実験の舞台はプッシュと言われる架空の慈善団体の設立パーティーです。
勿論被験者以外は全て仕掛け人です。このプッシュという慈善団体がいかに素晴らしいか、有名人の推薦ビデオなんかもあります。これは信じざるを得ない。
まず、理事長のトムの要求に従うか試します。
ここでベジタリアン用の食事が届かないトラブルが発生。トムがいい考えがあるといい、ソーセージロールをベジタリアン用の食事に偽装し始めます。あっさりとその手伝いをしてしまうクリス。さすが選別されただけのことはあります。
フットインザドアというテクニック。最初に小さな要求を承諾させてから段階を上げていく手法だと説明するダレンブラウン。ダレンブラウンさん、心理学にも精通している様子。
本人はまったく強制されている、或いは操られているとは思っていないでしょう。でも実は相手にコントロールされている場合もある。
洗脳とはまた違った、マインドコントロールとでも言えるものでしょう。

例えば昨今問題になっているAV強要問題。
この問題も掘り下げてみると、同様の構図が見え隠れします。そもそもAV女優になんかなる気もなかった女性を芸能人になれるという甘い言葉でダミーの芸能プロダクションに在籍させる。しかし、芸能関係の仕事なんかまったくこない。しかし、宣伝用の写真を撮ったりとそれなりの投資がかかっている。それを回収するためにAVに出てみないか?現実に元アイドルの子だってAVに出ているわけですから別に不思議な話でもなんでもありません。しかし、それが最初から仕組まれていたとしたら・・・

さて、クリス、500万ポンドも寄付してくれるという大物バーニーがその偽造パンを食べるのを黙って見ていました。ほんの小さな事ですがこれでトムと小さな共犯関係成立です。言い換えると弱みを握られたと言ってもいいかもしれません。
トムからバーニーのカバンを持ってと言われると、分かりましたと従順に従うクリス(笑)
言っておきますが、クリスはパーティーに招待されている招待客です。トムにもバーニーにも主従関係はありません。

ほんの小さな服従や弱みですが、これが最終的には殺人にまでつながってしまう。そんなバカなとお思いでしょうが、例えば北九州監禁殺人事件や尼崎事件でも同様の構造が見て取れます。
恐怖で支配していることに気付かない父親↓

ダレンブラウンは手が込んでいます。クリスをパーティーに呼ぶために、事前に理事長のトムが資金集め用のアプリ制作をクリスに依頼します。そこでトムとクリスはある程度の信頼を関係を築き、さらに設立パーティーに招待されたわけです。

このように綿密に練られた用意周到なシナリオが貴方に仕掛けられたら、果たしてあなたは騙されるほうがおかしいと言えるのでしょうか?




 - 動画とか , ,