NHK高校講座日本史~源頼朝が幕府を開いたのはなぜ1185年なのか

      2023/12/26

※追記
NHKの大河ドラマ「どうする家康」で豊臣家が関白、徳川が征夷大将軍で両立できるかも、みたいな感じで描かれていました。
ここでもう分けわかめですね(笑)
結論から言えば征夷大将軍は朝廷の序列では関白よりも下なわけですが、征夷大将軍という役職そのものよりもそれに就く事ができるような実力を持っていると形式的には軍政のトップとなる。
源頼朝が鎌倉幕府を開いたのが1185年に再定義されたというのは、守護地頭などを設置する実質的な権限を得たからと言えそうです。
守護や地頭が貴族の荘園などから年貢を徴収し、その一定割合をマージンとして徴収でき、時が下っていくと当然貴族に年貢を送らないようになる→戦国時代

そのように考えると豊臣秀吉が征夷大将軍を選ばずに関白職を選んだというのも理解できますね。あくまで征夷大将軍という役職そのものは朝廷のなかでの臨時の役職に過ぎない。
既に守護地頭制が崩壊していますし、征夷大将軍にわざわざ就く意味もない。しかし、鎌倉時代からの一定の権威というのもあるでしょう。さらに形式的にも軍政とは言えその範疇で政治は行えるわけです。それが一体どれほどの権力なのかは結局はその将軍の実力いかんでしょう。
逆に言えば将軍職に物凄い権力があろうが各地の大名がそれに従わなければ意味がない。

さて、源頼朝が鎌倉幕府を開いたのが1185年である理由は分かりましたが、そうすると徳川家康も実質的に守護地頭を任命するような権限を得たのが1603年だから、ということにもなりそうですが、幕府の定義自体が曖昧なので1183年説もあります。
武士が政権をとることを幕府というなら豊臣秀吉だってそうではないかという素朴な疑問がわきますが、そこは日本の歴史学の間では明確な線引きがされているのでしょう。
やはり一番わかりやすいのは征夷大将軍でしょう。実質的とか言い出したら何が実質的なのかという話になり、だとすると明確に定義づけをする必要がありますが統一的見解みたいなのはない。
征夷大将軍
守護地頭の仕事や違いがバッチリわかる~頼朝はなぜ設置したのか
守護
幕府

ウィキペディア幕府によれば
幕府(ばくふ)は、日本において征夷大将軍を首長とする武家政権もしくはその政庁を指す語
(笑)

結論

むしろ、なぜ鎌倉幕府の成立だけ教科書は実質説を採用しているのか?わざわざ従来の定説を変更までするなら他の武家政権も実質的に武家が政権をとった年に幕府成立に変更すべきだろう。
従って豊臣秀吉も幕府を開いたとすることだってできるはずであるが敢えてそうしないのは明白に征夷大将軍ではないからだろう。しかし、征夷大将軍に任命される前から実質的に征夷大将軍に任命されてから行っていたような政治体制を行っているのならその年を幕府成立の年とみなす、ということだろう。
従って、幕府の成立とは、武家が政治の実権を握り、かつ征夷大将軍に任ぜられることが条件ということになる。
そうすると単に征夷大将軍に任ぜられただけでも幕府を開いたとはならないし、政治の実権を握ったとしても秀吉のような場合は幕府とは言えないということになろう。
従って、室町幕府や江戸幕府の成立年も今後変更されることはありうるだろう。

↓以前の記事
源頼朝が鎌倉幕府を開いたのが1192年ではなく1185年に再定義されているということは知っていましたが、本日NHKの高校講座日本史を見て改めて疑問に思いました。
そもそも幕府という定義が曖昧というか、その幕府を初めて開いたとされる(幕府がなんなのかあいまいなのに変ですが)頼朝の場合は、更に初めてなのでいつ幕府を開いたのかはっきりと決める事が難しいようです。
最初に頼朝さんが武家政治の基礎を築き、幕府というものの基礎を築いたのでそのような政治体制を言う、みたいな感じだと思いますが、従って頼朝さんがいつ実質的に幕府といえるようなものを作ったのか(始めたのか)というとそれは1185年ではないかと。
いうことですが、征夷大将軍に任命されたのが1192年ですよね。このような考え方からすると実質的にいつ幕府を開いたのか?という実質説にたつ、ともいえるわけで征夷大将軍でなくても幕府が開けるということになりはしないかと思うわけです。
勿論、いくら実質的に幕府のようなものを開いて政治を行っていたとしても征夷大将軍という役職につくのが最低条件であるという言い方もできます。
従って頼朝さんが鎌倉幕府を開いたのは1185年だとすると、やはりじゃあ幕府ってなんだという幕府の定義をきっちりやらないと、例えば秀吉は幕府を開いてはいませんが政治の実権は握っているわけです。じゃあなぜ幕府と呼ばないのか?という理由の一つに征夷大将軍ではないから、という説明がなされることがありますがこれも不正確なわけで、政治体制の違いを指摘する必要がありますよね。
このあたりをあまり深く触れずに表面的に(実質的でしょうけど笑)いつ成立したか?ということだけをクローズアップしてもどうかと思うわけです。
だいたい1185年に成立したか1192年なのかで世の中何がどう変わるかというと、多分恐らく試験勉強くらいのものでしょう。そういう表面的な(いや実質的にでしょうけど笑)ものばかりにとらわれて実質が伴わない(いや実質的でしょうけど笑)日本人あるあるの一つのような気がします。




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