クイックシルバー 自転車便は自由な都会の象徴か

   

自転車便というお仕事がありますよね。ある意味誰でもやれそうな仕事ですけど大都会でしか成り立たないお仕事でしょう。
このメッセンジャー=自転車便を題材にした映画にクイックシルバーという映画があります。

なんでクイックシルバーなのかふと気になったので調べてみたらとんでもなく速く走るエックスメンのキャラクターからとってるみたいですね。主人公の務める自転車便の会社名がクイックシルバー、洒落がきいてます。
アメリカの映画って冒頭の題名が出てくるまでの部分が結構凝ってる作品が多いですよね。日本映画だと無味乾燥なクレジットがぽんとでて始まるのが多いですが。クレジットの入れ方もかなり凝ってるのが多いです。そういうのを見ると映画が好きでつくってんだな~とか一人でほくそ笑んで見てます。そういう意味では同じメッセンジャーを題材にした矢部さんとか草彅さんの映画「メッセンジャー」はもう少しひねったほうがいいのでは?と思われます。

さて、この映画フットルースで大ブレークしたケビンのベーコンさんが、2年後に出演された作品ですから結構有名な作品かと思いきや隠れた名作扱いになってました。というかベーコンさんがすでに50代後半というところに時代を感じます。ちなみにフットルースで高校生役を演じた時のベーコンさんが26というのにも驚きですけど。
なんだかんだで私もアマゾンプライムビデオで100円レンタルじゃなかったらほぼ永遠に見ていないかもしれません笑

タクシーの後部座席に座っているビジネスマン風のジャック=ベーコンを自転車便のお兄さんがチラチラ見ています。
通り過ぎては戻って、また通り過ぎては戻ってきます。
ジャックはタクシーの運転手に駅まで50ドルで競争させますが自転車便のお兄さんが勝利。
自転車便に負けたタクシーの運転手にお金を渡してここから歩くというジャック。自転車便のお兄さんが落としていったベレー帽を拾い、何やらすがすがしい表情です。軽快な音楽とともにこのシーンから始まり、なんとなく見る気にさせてくれます。

株で成功したジャックですが全然いけすかない人間には描かれていません。というかあっさりと全財産をすって自転車便で働いているシーンに移ってしまいます。
お金がなくて職探しに困るとかそういう悲壮感はまったくないところがこの映画の特色かもしれません。それがこの映画があまりメジャーにはなれなかった一因かもしれないと見終わった後思ってしまいました。

この当時はメッセンジャーという職自体も認知度が高くないのでアメリカはまだしも日本ではちょっと現実感が希薄で映画に感情移入できなかったのかもしれません。
ただ、株で失敗したジャックが今の生活にある程度満足している様を自転車便という職業でも表現することに成功しています。
昔の仲間から仕事に誘われても今の生活のほうに魅力を感じているようですし、親父さんもやはりよく思っていません。
金が欲しけりゃ2.3件余計に走る、自転車便だから一方通行だってお構いなし。そんな自由気ままな生活。
きちんと働いてますのでニートとは違いますが、はたから見るとそれでいいのか?という気になるのでしょう。

実際、同僚の家出娘テリーからも「あんたは賢いけど、大馬鹿だよ。やろうと思えば何だってできるのに・・」と言われてしまいます。

このあたりグッドウィルハンティングを思い出してしまったのは私だけでしょうか?かなり設定は違いますが笑

同僚の屋台の開店資金を捻出するために再び株の世界へ戻るジャック。成功と挫折そして再挑戦でしょうか。
そんな中ジャックに恋心を抱いていたテリーが危ない商売をしている危ない奴に襲われてしまいます(実際同僚のブードゥー=ローレンスフィッシュバーンがひき殺されています)。助けようとしたメッセンジャーの仲間たちも撃たれてしまいます。
さあ、ジャックはテリーを助けることができるでしょうか。
この映画、見終わった後、清々しい爽快感が残りました。そういった意味ではオンザロード(in渡辺)以来の感覚でした。
クイックシルバー また隠れた佳作を見つけてしまいました。

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